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『玄冶店の女』 宇江佐真理 幻冬舎 - 2003年06月06日(金)

宇江佐さん著作リスト《こちら》

江戸・日本橋に「玄冶店(げんやだな)」と呼ばれる狭い路地があった。黒板塀に囲まれた妾宅が並ぶその一角で、元・花魁のお玉は小間物屋「糸玉」を営んでいる。そこには小粋だが懸命に生きている女たちが出入りしていた。(単行本帯より引用)

宇江佐さんの最新刊はとっても読みやすい8編からなる連作短編集となっている。
それぞれ季節感を醸し出すタイトルが決っていて、いつも以上に読者を物語に引き込んでくれる。

お玉を中心とした4人の主要登場人物の人物造形が際だっている。
幼少の小梅を除いてすべてわけありの人生を歩んできてるので性格はキツクてもどこか遠慮がちなところがかわいくてほっとする。

それぞれ、自分の幸せについて葛藤し模索しています。結果として死を選んだものもいたが、4人すべてが幸せな人生であったと信じたく思う。

女のしあわせについて色々考えさせられる作品であるが、宇江佐さんなりの理想をラストで描ききれているような気がする。
たとえ離れててもきっと心は通じあっていると信じあえてるのでしょうね。
誰もが納得し切ないけど清々しい気持ちで本を閉じれる秀作である。

私にとって宇江佐さんの作品の中で最も読みやすさ・わかりやすさという観点においてオススメの作品となった。
特に女性に方に強くオススメしたく思う。

評価9点。オススメ



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