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『永遠の出口』 森絵都 集英社 - 2003年04月20日(日)

紀子と言う名の主人公を通して語られる女の子の成長物語です。年代的に森さんの自伝的な小説と言っていいのかもしれませんね。

小学4年生から高校卒業までを、お誕生会や給食やアイドルのブロマイド、アルバイト、恋、卒業などのエピソードをおりまぜて、その時々の紀子の思いや感じ方を綴っている。

女性の読者だったら、自分の過去に体験してきたような事が本当に瑞々しく語られていると感じる事間違いなし。多感な年代の出来事をタイムリーな題材で描写しています。
まるで昔の卒業アルバムを見ているような気にさせてくれる小説だと言えるでしょう。
特に全体を通して、親しい友達が徐々に疎遠になって行く過程の描写が見事でリアル。
きっとどの物語も主人公だけじゃなく読者も一喜一憂出来るでしょう。

中盤、少し中だるみがあるような気がするが、後半の大分への旅行(「第6章」)と恋をする(「第8章」)が本当に圧巻です。

読まれる性別や年齢によって感じ方も違ってくると思いますが、少なくとも女性が読まれたら、過去の自分に投影し物語に入り込むことが出来るでしょう。(若返るかもね)
逆にお子さんのいらっしゃる方にもいい勉強となる1冊かもしれません。
それにしても、子供の頃の1年1年って本当にいろんなことを体験できますよね。

切なくて胸キュンとなる青春小説です。

評価9点。オススメ!




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