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『嫌われ松子の一生』 山田宗樹 幻冬舎 - 2003年02月21日(金)

帯に重松清さんが絶賛してるので手に取りました。
とってもスケールの大きな物語です。
ひとりの聡明な女性の波乱万丈な生涯を、その死の原因を探るミステリータッチで描いています。

亡くなった主人公松子の過去からの回想と、甥っ子である川尻笙の調査とを交互に描き、なかなか読ませてくれます。

文章上の構成もうまくまとまっていて作者の筆力の高さには唸らされることしきり。

特に女性にとって、愛し愛される男性によってこんなに人生が変わってくるものかと小説の世界とはいえ感心しました。
少し男の身勝手さがクローズアップされすぎかなあとは思いましたが、どちらかといえば女性向の作品かもしれませんね。
ただ、読んでいくうちにあまりの悲劇的な人生であるがゆえに、感情移入されて読まれる方にはちょっと辛い部分もあるのかなあとは思いますが・・・

特に印象的なのは、川尻笙の恋人の明日香のラスト近くでの決断です。思わず大きな拍手を送りたくなりました。読まれた方の大半は同意見じゃないかなあと確信しています。

個人的にはこういった小説大好きです。是非手に取って下さい。

評価9点。 オススメ


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