『神様からひと言』 荻原浩 光文社 - 2002年12月06日(金) 短気で喧嘩っ早い性分が災いして大手広告代理店を辞め、中堅食品メーカーに中途入社した佐倉涼平だが、新しい会社でもトラブルを起こしお客様相談室へ異動させられる・・・ 広告制作会社勤務歴のある荻原さんは、今回初読みですが自身の経験をいかんなく発揮した作品といえるでしょう。 著作リストは《こちら》 帯の“会社に人質取られてますか?”という言葉にドキッとした方も多いと思いますが、内容はそんなに深刻なものではありません。現代社会に起こりうる事を軽妙洒脱な文章で綴ってます。 コメディータッチながらもサラリーマンにとっては、結構真剣に読まざるをえない作品ですが、日頃のストレスの解消には恰好の1冊と言えそうです。 なんといってもお客様相談室のメンバーのキャラが素晴らしい。特に、上司のギャンブル(競艇)狂の篠崎さん、いい味出してます。篠崎さんを主人公とした小説も読んでみたい気になりますよ。 登場人物を自分の身の回りの人間に置き換えて読むだけでもストレスの解消となる本作は、現実では出来そうもない事を主人公がやってくれるので、その過程を楽しめるだけでも読む価値があるでしょう。 普段、“忍耐強く勤めてる人”に是非読んで貰いたい作品です。又、カップ麺やギャンブル好きな人、心して読んで下さい(^O^) 本書を読めば会社内における自分の位置づけや立場を再認識できるかも・・・ 最後にラストの終わり方もよく、“涼平とリンコの幸せを心から祈って本を閉じた”ことを付け加えておきます。 評価 8点 ...
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