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『落花流水』 山本文緒 集英社文庫 - 2002年11月16日(土)

正直言って、山本文緒がこんな小説も書けるのかなあと驚いた面もありますし、逆に予想より面白くなかったとがっかりした面もあります。
評価の分かれる作品といえそうですね。

はじめ、マーティルが主人公かなあと思ってましたが(笑)・・・
1967年から2027年まで10年ごとに毬子という主人公の“女の一生”を本人、友人、母、義弟、娘によって描かれてます。

なんと波乱万丈な一生なのでしょう。小説の世界とはいえ変化に富んでいて面白いです。
家族より愛を優先しすぎてるところが読者をひきつけるのでしょうか?

1編1篇はそんなにたいしたことないのですが、読み終わった時の充実感はさすがと言いたいです。
人物設定の上手さはいつも脱帽、特に母親の“律子”さんには参りました。“血は争えない”というのが率直な感想です。
毬子さんの人生に拍手を送って本を閉じました。

評価7点



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