白い原稿用紙

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2002年11月04日(月) 珍獣の住処

木枯らしがビュービュー吹いて
寒い季節になりました。

寒がりの猫達のために
ホットカーペットが活躍する季節ですが。

うちの2階に
キスケの友達野良ニャンコ「しまじろう」 
が住み着いておりますのよ。
2階のベランダ、というほど立派なものでなく
洗濯物干し場 と言う方がふさわしいボロ。

1階にある洗濯もの干し場は
サンルーム仕様になっていて
そこなら住んでてもいいわよ、と
言い渡してあるのに、
どういうわけだか
ふきっさらしの2階のベランダに居たがるのよ。

この子を 可愛がって
面倒をみてくれていた御近所さんが 
引越してしまわれたので
もう一日中 そこにおります。

今年始めての木枯らしが吹いた日、
あまり寒そうなので
段ボールに古い座ぶとんを入れて置いてやったら
とっても素直に 中に入って寝ておりました。

あたくしは、ベランダのサッシ沿いに寝ているので
寝る時、ちょっとサッシを開けてのぞいたら
段ボールの中のしまじろうと目が会いました。
寒そうに丸まっているのを見ると
ぬくぬくとお布団にくるまっている自分が
申し訳なく思えちゃったりして、
修羅場中というのに
次の日には、古くなった椅子やら
発泡スチロールやら
段ボールやら
ビニールやら 持ち出して
しまじろうのお家作り。

ちょっと錯乱 入ってますけど。

トンカンと椅子を補修して、土台にして
少しでも風を防げるように囲って……

どこから見ても 立派な
路上生活者のお家が出来上がりました。

あまりの怪し気な風情に
しまじろうも戸惑い気味。

夜になって寒くなったら やっと入りました。
ふつう 猫はこんなに
ヒトの思惑通りに、
入って欲しいと思う所に
入ったりしないものなんだけど。

それにしても まだ寒そうなので
えさで小屋から誘い出し、
湯たんぽを入れてやったりして。

この湯たんぽは
去年、死んじゃったテンの闘病時代に買ったもの。
他の猫もうらやましがるといけないと思って
3つも買ったのに、
猫達には不評で 
誰も使ってくれなかったのよ。

しょうがないから自分で使ってたんだけど
3つも使わないわよ。

えさを食べ終わったしまじろうが
小屋に戻ろうとして
中に怪し気なものがあるのにびっくり。

それでも しばらくしたら
湯たんぽの上で
湯たんぽと同じ格好になって丸まってましたわ。

ありがとう しまじろう。

湯たんぽを気に入ってくれた猫は
アナタだけよ。うるる。
やっと買った甲斐があったわ。

こんなにじたばたするくらいなら
飼ってやればとお思いでしょうが
野良生活が長い猫は
そうそう人に心は許さず、
家に入れてやったとしても
人の姿を見ると
飛んで逃げてしまうのでございますのよ。

それにしても うちのベランダ……
雑草を鉢に入れて育てていたり、
壊れかけのデッサン用石膏像が置いてあったりして
充分 怪しいのに
路上生活用のお家まで出来ちゃった日にゃあ、
よそ様から見れば
心の底から怪しまれても 文句は言えません。

まあ、どうせ御近所では
一人前の変人として認識されているようなので
今さら怪しまれても どうってことないわね。

こないだは 買い物に行った帰りにお会いした
御近所さんに
「あら〜珍しいわね、ここ全然見なかったのに」

……あたくしは珍獣ですか。

先日 引越してしまった
御近所さんのお話しが出た時、
「あなたは引越さないでね、寂しくなるから」と
言っていただきましたけど

いいのかしら。
変人で珍獣なのに。

夜行性の珍獣としては
まだ朝までもうちょっとお仕事することにします。


藍まりと |MAILHomePage

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