流れる水の中に...雨音

 

 

17年前の彼女へ。 - 2002年04月05日(金)




今朝 ベッドのなかで目覚めたとき
何故だかわからないけれど
17年前に飛行機事故で亡くなったクラスメートの
ことを考えていた。

カーテンから漏れる光は眩しく
窓の外のすがすがすしく晴れた青空を
想像するのは容易だったけれど
まだ 目覚まし時計が私を起こすべき時間ではなかったから
しばらくベッドに入りながら そのクラスメートのことを
考え続けていた。

暫くすると時計が けたたましい音を立てはじめたから
私の隣に眠る人がおもむろにベッドから抜け出し
カーテンから溢れる光を受けてだらしない影になりながら
バスルームへと向かっていった。

彼女は17年前の日航機の墜落した飛行機に乗り合わせていた。
中学に入学して数ヶ月間だった。
彼女は肌の薄い色の白いほっそりとした美人だった。
吊り目がちな目元の印象とは裏腹に
彼女を包む雰囲気は、とても穏やかで優しいものだった。

それほど多くのことは覚えていない。
同じグループではなかったから。
でもクラス代表をつとめていたわたくしは
葬儀のときには学校代表、友人代表ということで
弔辞を読むことになった。
あのときのことは余り覚えていない。

あれから17年。
わたくしも今年30歳になろうとしている。

わたくしが此処に存在することは
わたくしだけの意志や努力やそんなもので
あるものでなく
たとえば
その彼女の死の上にもわたくしは生きてきたように感じてしまう。
彼女のお陰とか、そういうことではなくて
彼女の死があり、そして今の私がある。
そういうことを素直にありがたいと思い
そして彼女に対して感謝というのではなくて
彼女の存在を尊みたいと思う。

近いうちに、彼女のお墓にも挨拶に行きたいと
おもっている。







...




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