Kyoto Sanga Sketch Book
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2005年06月03日(金) |
【札幌戦第7節】〜鴨池の祭りの行方 |
全勝で首位の京都が、遥か北海道からコンサドーレ札幌を鴨池で迎える。
何週間も前から新聞でなんどか広告をみていた。 大写しのパウリーニョの走る姿、 田原、米田、中山の三人の顔が丸い切り抜きで乗せてあった。 そしてその上には、「ONE FOR THE TEAM」の文字。
鴨池。春の花曇りだった空が、だんだん青く輝いてきた。 桜島がだんだんくっきり浮かんで来る。今日は浜風はあまりない。
ゴール裏は広々とした芝生。 家族連れが子供に紫のユニを着せ、シートを敷いて座っている。 京都のサポと鹿児島のサポの顔合わせ。スタンドも京都を応援している。
フェスティバルのイベントのように試合は始まった。
■ 前半 ■
札幌ペースで試合は回っていた。 真っ直ぐに、首位京都ゴールに向かって札幌が何度も攻めてくる。
でも、次第に中盤で斉藤と米田のダブルボランチが主導権を握りだし、 斉藤の球が、両サイドに勢い良く飛んで行きはじめた。
大久保の負傷で開幕以来のスタメン、大剛が懸命に追うが、 苦手の守備に意識が行き過ぎているのか、前に出るテンポが遅れる。
バックスタンドは攻撃で盛り上がればウェーブ、 つまらないときはつまらない時でウェーブ… 応援の合間にそれを見て思わず笑ってしまうゴール裏。
まったりと45分は過ぎた。
■ 後半 ■
その辺で騒いでいた地元の学生服の少年たちも紫のたすき持ちに加わる。 シャツをまくって紫ユニと一緒にピョンピョン。
「アイアイアイ〜愛〜情〜!」 フロントラインに立つ若いサポ君も、 芝にシートを広げている家族連れたちに、笑顔でおいでおいでする。 ハーフタイムには裸族もここではちょっとばかり和やかなリゾート地の軽装に見えて。 同じ光景でも鴨池でみるとだいぶ違う…(笑)。 ゴール裏は和やかに「田原はいつ出るのかなあ」という話題に。
早くも、パウリーニョに得点のチャンスが。
このときは、前半の終了間際のボールポゼッションを見ている限り、 後半は内容はともかく、なんとかなると思っていた。ぬるかったかも。
しかし、札幌が選手交代を始めた頃から流れは札幌に傾いてきた。 札幌の中山のボールが京都のゴールポストを叩く。
これに応じて京都もカードを切る。今日は怖いぐらいに柱谷監督の判断が早い。 SB大剛に変えて、攻撃的な大志、 ボランチ米田にかえて、こんな早い時間に攻撃の最終兵器田原。
実質3バック1ボランチ3トップ。今季見たことのない超攻撃的な布陣になる。
”サンガ”が無理な体勢でボールを前線に投げ入れ、運び、キープしようとする。 それをコンサドーレが簡単に奪い、緩んだサンガの守備に突入。 それが何度も繰り返された。
後半開始の生ぬるい空気はもうなかった。時間がない。 COME ON COME ON! そんなわずか30人ほどのサポーターの声が狂ったようになってきて、 田原がはずすたびにスタジアム中で悲鳴があがった。 アレモンのシュート、田原のシュート、札幌のシュートも続く。
決定的に見えるチャンスも、お互いゴールが遠く見える。
終了のホイッスルが鳴った。
終了後。今日の試合は少しダイナミックさに欠けたけど、 こちらの子たちにとっては、大勢のJリーガーを目の当たりにできる貴重なチャンス。
ジャージ姿の子供たちも走って来た。子供たちの群がバスを大きく取り囲こむ。 札幌サポに小さく会釈する札幌選手、子供たちに請われてサインをする京都選手たち。 選手たちを連呼する子供たちが、京都サポの「監督!」という声に反応。 かんとく〜、かんとく〜とまた騒ぎ出す。 スーツ姿の柱谷監督が笑いながら一人一人に丁寧にサインを続ける。
こうして年に1回のお祭りは終わった。
もし勝つことができたら、もっと楽しめたはず。 去っていくバスを鹿児島の子供たちと京都のそして札幌のサポが見送る。 次こそ勝利で、鴨池のゴール裏の芝生を走れますように。
京都0−0札幌
首位
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