Kyoto Sanga Sketch Book
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2003年08月03日(日) |
【鹿島戦1st代15節】 〜FW黒部の復活祭り |
ゴールは麻薬のように、強い酒のように人々を酔わせる。 この日、夏の夜の蒸し暑いスタジアムの空気はアルコールを含んでいたようでした。
FCから中田浩二に先制されていた30分。 大野の左CK、そのまま彼は頭でゴールに突き刺した。 同点。
53分。 松井のGKとDFの間を抜けたクロス目掛け、 低空飛行のような体勢で頭から飛び込む。 追加点。
この時点で、西京極のゴール裏のばか騒ぎは最高潮に(若いサポが増えてるなぁ(笑)) 総立になったまま、電光掲示板に得点者の名が掲示されるのを待つ観客。
「ただ今のゴール!黒部光昭!!!!」
わぁーーー!!歓声が湧いた。 怪我から2ヶ月半ぶりにスタメン復帰したエースへの歓声がスタジアムを覆う。
「おらー!もっと騒ごうぜー!」前列のサポーター達が後ろを振り返る。 体にまとわり付く熱帯のような真夏の大気。もうむせそう。 それは、元旦の緊張感に満ちた真冬の大気とは全く異質。 対戦相手が同じなだけ。
つーか、おめーら、鹿島戦ばかりじゃなく、それ以外でも頑張れよ(涙) 鹿島サポの友達の多い私の身にもなってよ(涙) ・・・てか大のそーまファンだった私の身になれよ(涙)
「アレ、アレ、アレ♪アレ、アレ、アレ♪」 ゴール裏の歌は高揚感でぐちゃぐちゃ(笑)。
確かに、ゲルト時代とは少し違った「重さ」のあるチームが、 ゆっくりゆっくり噛み合って歯車のように回り出していました。 なんと言っても、黒部がいると前線でのボールの収まりがいい。 大野も初先発起用だったと思うけど、使えそう。
ミスは・・・まだ多いんですが、 どういう訳だか鹿島のミスの方が目立つんだよねぇ。 暑すぎたんでしょうけど・・・。
しかし、黒部が町田に代わり、大野がミニラに代わった頃から、 また京都はボールをキープできなくなる。 ミニラの運動量は豊富でした。 でも、町田の技術で黒部の代わりをしろというのは無理。 (フィジカルとポジション取りで、まだ田原の方が使えるような)
逆転したとは言え、まだ点差は1。 なのに後手後手に回り、少しずつ下がるDFライン。 緊張はもう高まるばかり。
そんな時・・・MF起用の和裕からのクロスに反応した選手が。 ゴールネットが揺れた。 その瞬間、彼は喜びを押し殺すかのように、落ちついてこちらに歩んで来た。
「あれって、だ、誰?!」 「マ・・・マッチ?!」
広告看板ギリギリまで来た。私達の方に向かって大きく拳を突き上げた。 ゴール裏は彼の拳に呼応して総立!
そこに中払がやって来て、彼の頭を撫ぜていました(笑)。
試合後のコメントで監督は試合前にマスコミにスタメンと戦術を公開した事を 「本来なら私のスタイルでないが・・・ 黒部の先発を知らせて選手達に自信を与えようと思った」と、話したそうです。
ピムは今日の「勝利の物語」を周到に用意していた。 優勝を逃してモチベーションの下がった鹿島は、 まんまとうちの新監督の演出に使われたような気がします。 (ごめんね、そーまさん(笑)) これがただの徒花的な勝利か、本当のステップアップになるかわからないけど。
翌日の新聞。監督や社長のコメントとともに、稲盛名誉会長のコメントもありました。 「いい補強をしたい。最下位のチームがトップになればおもしろい」と。
(会長、そりや確かに面白いです(笑)。・・・大変ですけどね。)
今日も、ヒーローインタビューを終えた黒部がゴール裏に帰って来る。
彼の場合「やって来る」というより サポーターの所に又インタビューを終えて「帰って来る」という感じがする。 試合中、ずっと私達ファン達共にいた錯覚を感じる。 (どこのチームにもそんな選手がいるんだろうけど。。京都では今は彼。)
フェンス越しに集まってくるファン達と今日も手を差し伸べ合う。 三千人の西京極で始まった儀式が今日も続いている。
いつまでもこんな幸せが続きますように。
元旦に続いて、また黒部のゴール。 そういや・・・友人の為に唯一もらったサインの横。 訳あってちょっと話し合ってもらって、 「”鹿島”戦でゴールする」と、書いてもらったような。 (横にいた川口クン(現大塚FC)もありがとう) まだJ2時代のこと。
当時あれは半分夢・・・というかネタだったんですが(遠い目)
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