Kyoto Sanga Sketch Book
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2001年11月10日(土) |
【J2湘南戦 第43節】 〜その瞬間「永遠」 |
11月11日の京都新聞。 試合終了の瞬間のピッチの写真は“あの瞬間”を永遠に止めている。
石丸のみっともないくらいのグチャグチャな笑顔。 彼は頭に包帯を巻いた優作と、すがり合うように抱き合っている。
中央ではキャプテンマークを巻いた若い手島。 誰か視線が合ったのだろうか、 無防備に白い歯をこぼしながら、歩き出している。
エンゲルス監督は、 崩れるように胸にもたれた来た選手を、まるで父親のように抱きかかえていた。 チソンと肩を組みながら子供のような笑い顔をみせているのはベテランのミニラ
写っていない辻本は、 そのとき地面に伏せて泣いていたはず・・・だよね。
11月10日。サンガは昇格を決めた。
アウェイの湘南に京都から向かったバスは2台。 私のように行けないファンは 御池の「新風館」の中央広場に集まっていました。
わずか2試合しか残っていないにもかかわらず、 京都、仙台、山形が2つしかない昇格の席を争っていました。 (まさかこんな事になろうと、あの開幕戦では思ってもいなかった・・・)
そう、あの初戦で苦しめられた山形は、最後までサンガのライバルだったのです。 あの時10位の自分らと引き分けたのをみて「サンガって弱い」と言っていた山形サポーターは 今ごろなんて思っているのだろう。
■前半■
これがサンガに替わり首位になった仙台を 甲府や水戸に負かせてしまった”昇格”へのプレッシャーなのか。
ベルマーレのスピードある両サイドの攻撃に振り回され、 自慢の中盤は全然機能せず、 FW達は大空振り&大ホームラン。
ベルマーレの先制は当然だった。
■ハーフタイム■
昇格のライバル、2位仙台と3位山形の途中経過が入る。 もし、3位の山形が90分で勝てば、サンガの昇格は振り出しに戻る。 でも・・・ 「山形はまだ0−0!!水戸が山形相手にがんばっている!」
■後半■
松井君がアウト、安が入る。 何人もの選手を振り抜き、意外な方向へと走りこんで行く彼。 ついにサンガが目を覚ました! そのパスを受けた黒部が同点のゴールを決めた!
新風館、誰ともなしに勝手に歌が広がってきた。 「くろべ〜くろべ〜、サンガのくろべ〜♪」 新風館の広場でクロベコールが始まった。
この大事な試合。コーナーキックは左右とも熱田。
昇格を決定づける為には90分で勝利を決めないといけないのだ。 2試合を残して、まだ3チームが三つ巴なのだから。 何度も何度も熱田が左右のコーナーを往復する、キックする。
・・・いつまでも集中が続くとも思われない氏である。 そろそろ切れるころかもしれない・・・(ごめん、本当にそう思った)。
何本目の続けてのコーナーキックだったんだろう。 ゴールマウスの前に飛んだそのボールをめがけて ゴール前の混雑から誰かの頭が飛び込んだ・・・・・
辻本だった!!逆転!
それは丁度、湘南のスタジアムと京都の新風館で 同時に“京都の祭り”が歌われようとしていた時だった。 涙が滲んできかけた。
この長い一年を思い出す余裕はなかったけど・・・ あれからのストーリーはやっと、やっと終わりに近づいている。
長い笛が吹かれた。 2−1。
そして・・・・ 歩きだした選手に、ベンチから声がかかったらしい。 「山形が延長に入った!昇格確定だ!」
一斉に選手たちが抱き合った。 そして、あの新聞の光景が・・・・・・・
そのときの新風館の様子 そこでは、試合の後もお祭りが続いていました。 選手も、スタッフもいないので、 かわりにサンガの試合の報道関係者が握手を求められ、コールを受けていたんです。 (皆、あまりにうれしいので何かコールしたくて仕方がなかった)
「梶原♪梶原♪」 「和歌子ぉ♪和歌子ぉ♪」 そんなコールがステージのアナウンサー&レポーター二人に向かって続いて(笑) 二人はずっとお辞儀をしていました(笑)
ネズミ色のブルゾンの男が近づいて来て、 「あの、○○新聞の者ですけれど、サポーターの責任者の方はいませんか?」 「上の人ならたぶんほとんど湘南ですよ。大切な試合だったから。」
彼が散らばって行く紫ユニの人々を慌てて追いかけて行く姿がちょっと滑稽だった。
広場の大スクリーンは、 熱気あふれるスタジアムから、私たちのいる広場の現在の映像に戻っている。 広場は人も去り、いつもの買い物の若者たちが通り過ぎて行く。 まるで何事もなかったかのように
そうだね。 一番の感動は最終戦にとっておかなきゃね。
翌日、すべてのチームの試合が終わり、サンガの優勝が決まった。
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