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2005年05月22日(日) |
泣きたいのは自分の愚かさに |
好きな人に、キスをされたら嬉しい。そう思う己は少しおかしいのかも知れない。言葉なんて無くて、そんな中途半端な、勢いだけの行為。それでも己は舞い上がってしまって、いつもいつもそうだったと言う事を、忘れて溺れてしまう。 もうそろそろ理解しなくてはいけない。 己は恋なんてしてない。彼を好きになったりしていない。ただほんの少し、嬉しくて、舞い上がってしまっただけ。 きっと彼は何も考えてなんかいない。己の事等、気にもかけていない。彼が欲しかったのはセックスであって、己ではない。そんなこと、あの場ですら気が付いていた筈なのに。 己から連絡が無くても彼は何も感じないだろう。勝手に溺れて、勝手に傷ついた顔をしている己を鏡でよく見ろ。愚かしい。馬鹿らしい。全部全部。 あの時、繋いだ手をほどかれたあの時に、すべてを理解してあの部屋を出るべきだったのだ。本当は解っていた筈なのに。
話せる機会があったら訊いてみたい。 己は使い捨ての、その場限りの人間ですか? 己に触れた貴方は何を考えていたのですか? どうか、教えてください。お願いです。 今更言っても遅い。あの時に問い詰めておかなければ何の意味も無かった。こんな風に一縷の望みを抱き続ける自分が嫌だ。
空っぽだけど、相変わらず胸が詰まっている。 己は自分が言葉を持たないから、他人の言葉に納得する。胸に重いものがある。己は、その胸のつかえの奥に空洞があって、冷たい凍った水が流れているのを感じる。水が流れるたびに、己は苦しくて堪らなくて泣く。 本当は胸のつかえなんて無くて、あるのは空洞と凍った水だけなのかもしれない。空っぽの自分だけ。
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