2003年04月05日(土) 時には昔の話を




そうでなくとも、人員不足で悩むウチのバイト先

数少ない夕方ホールバイトの一人は未だ帰郷中

しまいには、この2月で辞めたメンバーに急遽出てもらう始末



こんな状況を作ってしまう店長の浅はかさが滑稽にすら思える



土・日・祝は稼ぎ時

平日の2〜3倍の客が見込まれるもの

自ずとその日に必要とされる人員数は増える



普段ホール・キッチンを合わせて4名弱程度の人員に対して、

今日のランチタイムの人員、社員も含めて9名

この人員数はかなり多い方

コレだけ居れば不測は無い、例え時間いっぱい満席だろうと問題無し



に、対して、今夜のディナータイム人員、4名



ちょっと待ってね?

ホールとキッチンを合わせて4名です、その内訳は、



キッチン3:ホール1



勿論、この「1」って俺の事


『何でランチタイムが9名いんのにディナータイムが4名なんだー!』


って文句もさることながら、


『ってか、何でホールが俺だけだっつーのっ!』


一応、コレに副長が入ります、副長はキッチン・ホール両方やる

両方やるって事は、どちらか一方に専念出来ないって事だわ

つまり、まぁ、毎度の事だが、俺一人

平日シフトと全然かわりゃ〜しない



…オカシイのはですね?

店長、大喜びで俺に言う


「大丈夫!土・日と辞めたあのコがヘルプしてくれる事になってるから」


俺はてっきり、数少ないバイトで満席を切り盛りする地獄から、

開放されたのだとばかり思っていた

だって、わざわざ俺に言ってくるって事は、

俺の時間帯にヘルプが来ると思うでしょ?

もともとのシフトも、

ランチタイムホールが2名+店長・副長、計4名

ディナータイムホールが俺と副長、計2名

誰が考えたって、ヘルプが必要なのはディナーだべ?



なのに、ヘルプが入るのはランチタ〜イム

おかしいでしょ?

ってか、イジメでしょ?



何でこんなフザけたシフトになるか、実は俺も副長も分かっている


店長、ディナータイムには帰るから


自分のいるランチタイムはバイト数を増やすのです

バイトが居れば、

自分は店長室でタバコ吸いながらコーヒー飲んでいられるもの



滑稽だべ?…イヤイヤ、笑えません

今日サボっていいですか?ってか、スト起こしますよ?

オハヨウございます、リョーです

裏日記
ウチの店長は、元々広島の人間、そこでかなりの業績を上げ副社長に気に入られているとの事
自ずと、店長職を管理するマネージャーや地域部長も口出しできなくなり、今ではやりたい放題の始末
その煽りを受け、副長の苦労は倍増

おかしいものだが、やはり立場次第なのが現実
例え『間違っている』と思っていても、歯向かえば確実に自分の首を閉める
こんな時はあのドラマのあのセリフ、
『正しい事をしたければ、偉くなれ』
が、頭を過ぎる、アレは偽り無く現実の言葉なのだろう

悲しきかな、副長の寝ずの仕事も業績も全ては店長の手柄
ある意味、店長の『世渡り』の上手さ、と言うべきか

こんな『上司』はゴメンだが、これもまた社会なのだろう


時々ね?ふと昔のビデオを観たりします



その中の一つに、高校時代の部活の演奏会のビデオがある

男子校の吹奏楽部と女子高の吹奏楽部が合同で行った演奏会

俺達1年の時の演奏会がちょうど10回目

そしてその『合同演奏会』の最後の年



最後になってしまったのは色々とワケがある



両校とも大したレベルではなかった事もその一要因

コンクールに出場するも大抵は『銅賞』、参加賞みたいなものだ


「あんな吹奏楽部と合同してやっていても得る物無し」


それが相手方の女子高の指揮者を務めた男の主張だった



そもそも、女子高には正式な『指揮者』という者が居なかった

高校の部活で『指揮者』とは指導員

吹奏楽のレベルを左右するのも『指揮者』次第



元々いた『指揮者』は職場移転により居なくなってしまい、

それ以来、女子高の吹奏楽の技術は低迷を続けていた

高校の部活だから当然顧問がいたが、

音楽とは無縁の教師、レベルを引き上げる仕事には適わず



中学からの経験者で有望な者が入ってきても、

その部のレベルの低さに失望し辞めていく

上手くなろうと足掻くも指導者無しに未経験者がどこまで伸びるだろうか?



そんな時彼女らが見つけてきたのが、

当時両校に出入りしていた『楽器屋』の男だった



彼女らがその男に求めたものは、当然、レベルの向上

それに対して出してきた彼の答えが先程の、


「あんな吹奏楽部と合同してやっていても得る物無し」


というものだったワケだ



この主張は当時の女子高の校長に受け入れられ、

あえなく『合同演奏会』は開かれる事が無くなった








勿論、当時の部員達はそれに異を唱えた

男子校の面々はさることながら、

女子高の中にもその立場に立つ者が多かった



女子高はその意見の対立により二分、部員は著しく減少

後の話になるが、部の存続すら危ぶまれる程になっていく



当時、その指揮者に賛同した女子部員の一人が俺の中学の先輩だった

と、いっても面識などまるで無かったが



ウチの中学の吹奏楽は県コンクールは当然の事、

関東大会でも金賞を得るほどの実力校

そんな環境にいた、実力のある彼女にとっては、

『ヘタクソ』は足枷以外の何者でもなかっただろう

それは否定のしようが無かった、事実『ヘタクソ』なのだから

俺も多分に漏れず、その内の一人だった

空手のような『個人競技』には無い、集団による悩みだわな



『最後の合同演奏会』後も話し合いは続く

と言っても、『演奏会を続けたい』派の人間が、

『どうやったら続けることが出来るか?』を話し合っていたに過ぎないが

結局コレも、机上の空論に終わる

どんな意見も『行動』として現れる事は無かったから



そんな話し合いの中、俺の出した意見


『校長によって生徒の意思がかき消されるなんて横柄だ

 それなりのところに訴えよう』


『ヘタクソ』の意見としては随分おこがましい事を言ったものだ

高校生らしい子供っぽい意見だし



よく覚えている、

この意見に対し言われた言葉を


「君は空手をやっているから、事を荒立てる事を言う」



正直、この言葉は聞き捨てならなかった


『空手?そんなモノは関係ない、フザけんな』

 
ただ、この言葉を口に出すことは出来なかった

そんな事を主張出来るほどの実力も無ければ、

その努力すらしていなかったのだから

『死人に口無し』ならぬ、『無能に口無し』と言ったところだろうか



高音も出せない

テンポについていくことも出来ない

スケールも出来ない

楽器特有の柔らかい音も出せない



だけど、続けたかった

楽しかったから、続けたいと思った

その後の2年・3年のコンクールで着々と順位を上げていった喜びも、

その『合同演奏会』の楽しみには勝らない



今では関東大会にまで駒を進めることが出来る程にまで成長した、

後輩達の吹奏楽部

彼等は、あの『楽しさ』を知っているのだろうか?



ビデオに映る、

女子高校長の『社交辞令』的な演奏前の挨拶や、

あの男のやる気のない、

ダラダラした歩きやお辞儀、その指揮棒を振る一挙手一投足が

悔しさをこみ上げる



こんな無礼な連中に邪魔された

そしてその邪魔に打ち勝てなかった



あのヘタクソな演奏が、俺にとっては掛け替えの無い思い出



ココで一句



信念を 貫き通すも 実力次第



しっかしな〜、何度聞いてもヘッタクソだわ〜

ピーピーうるせぇし、

呼吸音入りまくってるし、

和音なんちゃあったもんじゃない、

特にあの中低音の雑音!



…ああ、俺の音か



御粗末です

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