すごく自信に溢れたその立ち居振る舞い…
スンと胸を張り、何者にも臆しないその姿は、
持ち前の長身を更に活かしつづける
白いTシャツにストレートのジーンズ、
それだけなのに、目の離せなくなる景色へと変わる
不恰好に、一本に纏め上げたその髪型が凛々しさを強調し、
知的な瞳を覗かせる
決して美人ではないが、その魅力は彷彿としている
部活では諸々の大会を総なめにし、
定期テストではいつも五指に数えられる
クラスではいつでも中心に存在し、そう望まれる
女性らしいお淑やかさは無いが、誰にも引けを取らない判断力
周りを取り込む明るさ、気持ち良い位にサバッとした性格
兄弟想いで親代わり
親の仕事で地方を転々と過ごしている
こんなコが実際にいました
勿論、俺の勝手な判断上の話ですけど
俺の憧れ?…イヤ、なんかそういうのとは違う
目標…?でもないなぁ
何だろうか…、言い表せないが、とても大事な人です
ニシザワさんと言います、本名です
上記のように、ハッキリ言って特別、そんな感じでした
部活動でも勉強面でも、そしてカリスマ性でも活躍していた彼女は
教師の間である種の特別待遇のような立場にいた
中学一年の時はただの穀潰しの様な存在だった俺
近所の墓場のお堂を蹴ったら壁を壊してしまい、学年の教師全員に囲まれ、
『警察に突き出すぞ』…こんな事を言われた
成績も中の下、素行不良、取り立てて目立つ成果を上げてはいない
そしてイジメの被害者
まさに“目の上のタンコブ”さ
そう、教師達は昨日書いた事すべてを知っていました
そりゃあそうだ、授業中だろうと関係無く、
俺はイジメの矢面に立たされていたんだから
教師達はどうしたかって?
見て見ぬ振り…そんな感じです
何も言わない・何も聞かない・何もしない
ハハッ、クソッタレです
そんな俺だったが、
ある事をきっかけに成績を上げる
元々ヤンチャな性格ゆえ、身体を動かすのは好きだった
それゆえに、大抵のスポーツは人並みには出来た(と、思っている)
中2の中頃にはもう教師から蔑まられることはなくなっていた
それどころか運良く部活動でも健闘でき、成績を更に上げる事に成功
あの腫れ物に触れるかの様な教師達も態度を変えていく
正味、『してやったり!ざまーみろってんだ!』、そう思っていた
中2の終わり、冬の寒さ絶頂期
ある音楽・体育・英語教師が俺に言った
『お前じゃニシザワの足元にもおよばねーよ』
ってか、教師の言葉じゃないってな?
こういう事、生徒に向かって言うか?普通
カチンッ!そう思ったね
この頃はとにかく負けず嫌いだった俺
一方的に勝負に突入(俺の一人よがり)
第一ラウンド〜学力勝負〜
中2の三学期の期末テスト
ニシザワの成績を女友達に調べさせる
結果:惨敗
第二ラウンド〜体力勝負〜
ニシザワ、バドミントン部
殆ど話した事も無いのに部活中に乗り込んで勝負を挑む俺
結果:完敗
相手は県1位、俺は素人、勝負になるわけが無い
実に1点も取れなかった
ってか、ミジメだったぁ…
第三ラウンド〜人柄勝負〜
どうやって勝敗を決しろというんだ、一体?
完敗…ハイ、まさにそうでした
『まさか女に負けるなんて』
そんな風に考えていたと思う
今でも覚えている事が一つ
バドミントン勝負の後、下駄箱の所であったんだわ
『オモシロイから、またやろうね?』
そう言われて、なんか、正直、嬉しかった
言葉を交わしたのなんて、コレを含めても2・3回程度
一度も同じクラスにはならなかった
ニシザワ、3年生の4月、東京へと転校
それ以来、どうなったか知らない
とりあえず、俺は負けっぱなし
バドミントン勝負の再戦もお預けのまま
俺、また少し、変わっていく
『負けられない』、一人よがりの勝負はその後も続く
中三、最後の中体連
今まで散々ヒドイ目に合わされて『二度と頼むか!』と思っていた親父に
コーチを頼み、レギュラー全員で自主練に励んだ
結局、結果は無残に終わったけどね
中3のいつだったかのテストで、ニシザワと同じ点数を取って大喜びをした
高校でもね、実は模試受ける度に成績優秀者の中に
ニシザワが居ないか探していた
結局一度として“ニシザワ”を見つけることは出来なかったけど
今頃、ニシザワはどうしているのだろうか?
今でも、たまにニシザワの夢を見る
そんな日はやる気に満ちて、頗る気分が良い
俺はまたニシザワに会う事があるのだろうか
その時には、対等でありたい、そう思う
そんなニシザワを、俺は大事な人だと思っています
9年…俺は成長しただろうか?
ここで一句
夢の中 対等な立場に 並ぶ二人
いつか現実になって欲しい
素直にそう思っています
再開する事はあるんかな〜?
…ストーカーとか言わないでね?いや、違うから!
ってか、ニシザワの事、書けたなぁ
日記書き始めた当初から書こう書こうって思ってたんだわ
やや納得いかないけど、まぁ、いいかな
御粗末です
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