2002年11月11日(月) 歴史に名を刻め〜、お前等〜




以前、ある映画の事を紹介したのを覚えていますか?

ウチの地元がロケ地となっていて、

『地方都市の少年少女』がテーマになっていた映画



ウリ・イジメ・軽犯罪を織り込んだ、観ていて痛い映画



自分の嫌な思い出を髣髴とさせる映画



で、その映画に登場するもので

実は二つほど、映画だけではなく実際に存在するものがあるんです



一つは、その少年少女の心を魅了する歌い手

実際にその歌い手のCDは売られている

映画に登場したままのジャケットで、ね?

それも一枚二枚じゃないんだわ



で、もう一つが、その少年少女が素直な気持ちを綴る場としたBBS

コレもちゃんと実際に存在するサイト

実にここにカキコされたものがそのまま映画に使われていたりもする



正味ね…、テーマがテーマだけに、

ココに書き込まれた物の多くは社会・人生に対する悲観的なもの

『仮想現実で生きていたい』

『“死ねる”ことが僕の支えになっている』

『彼女を守れなかった…僕も死にたい…』

『誰も僕を見つけてくれない…僕は生きていちゃいけないんだ』

…こんなシュールなものばかり



分からなくは無い…むしろ共感できるところもある

俺も、イジメを受けたことがあるから








俺は、多分、恵まれていたんだろうな…



体がでかかったってのがあったから、小学校の時は暴れん坊だった

中学に入れば、接する人の数もおのずと広がる

俺より腕力がある奴なんてざらだわな?



毎日毎日が屈辱の連続

今まで上(ガキの世界で)にいたのが一気に失脚さ?

身長でも、勉強でも、腕力でも負けちまってさ

惨めなものさ…今まで威張っていた者がその拠り所を失うってのは



そうなれば、後は蔑む対象となっていく

俺は腕力で負かした奴は先導者に

俺が腕力で押さえつけていた奴らは支援者に

そして支援者が支援者を呼ぶ…どこまでも続く螺旋のようにね



昨日まで隣に居た奴がいなくなる

昨日まで笑いかけてきていたコが目を合わせなくなる

誰も話しかけてこない、誰も近寄ろうとしない



『ちょっと近寄らないでよ、私のものに触らないで!』

段々と俺の行動範囲は狭くなっていく

身動きが取れない



言葉の端々で俺を嘲笑する先導者

それをさもオモシロイ事のように爆笑する支援者

悔しくて悔しくて、気が狂いそうになる

息が出来ない



『学校に行きたくない』



そう思ったのは、この時が初めてだった

それまで“登校拒否”なんて他人事だった

初めてその人の気持ちが分かった気がした



いつでも独り

学校に行き着いても話しかける人はいない

給食の時間もただ周りの笑い声を耳にするのみ

移動教室の時間の移動もただ独り



独りの怖さを知った



それでも、その屈辱はクラス内で収まっていた

他のクラスにいる仲の良い友人、彼等に救われる日々



中1の夏休み明けから続いたこの生活

中2のクラス替えで一時収拾がつく

このクラス替えだけが、当時の俺の心の支えだったな…



事態はそれでも収束した訳ではなかったのを知ったのはその1・2ヵ月後



小学校の時の仲の良い友人が俺を嘲笑する

名前も知らない女の子に『近寄らないで』といきなり言われる

先導者は、新たなクラスでも俺を笑いのネタとしていた



他の友人にまで…?

壊されていく、俺の世界

まさに、そんな感じ



先導者がいまだにそんな事をしていると知ったのは、

その仲の良い友人に嘲笑された時

カァーッと、顔が紅潮したのを覚えている

次の瞬間には、その友人を地べたに叩きつけていた

友人、そう思っている相手に対して暴力を振るったのは

今でもコレが最初で最後



『許せねぇ、フザけんじゃねぇ!』

俺、あの時、その足で先導者の所まで行って、

思いっきり飛び蹴りを喰らわしたんだったな

不意の攻撃にハデに吹っ飛んだソイツ

その辺にあった机やら椅子やら散々になった



その後、捨て台詞の一つでも吐いたかって?

正直に言えば、怖くて何も言えなかったな

とりあえず、『一矢は報いた』、そんな感じだ



…そう言えば、人に暴力を振るったのはコレで最後だ



事態はそれでいっきに好転ですよ

『アイツをぶっ飛ばした』って噂は瞬く間に学年中に広がる

実にその日の部活の時には『アイツ、ムカつくよな?』なんて

言ってくる奴もいた

それまで助長していた支援者達は何も言わなくなった

先導者も支援者を失って静かになった

気付いた時には今まで『近寄らないで』なんて言ってた女の子、

その本人がさも親しげに話しかけてくる始末



俺の屈辱はコレにて、お仕舞い

その後は“普通の中学生”を謳歌した



俺が恵まれていたって言ったのは、

最後の最後で“悪ガキ”としてのプライドが残っていた

『ムカつくからぶん殴ってやる!』

そんな単純なことで、先導者に立ち向かったわけだ

『最後の砦を守りたい』なんて気持ちもあったろうけど…





結局はさ、大きな事は言えんけど、

『逃げない』事だと、俺は思うんだわ



玉砕覚悟で突っ込んでみればいい

少なくとも次の瞬間、今までとは違う人間がそこにいると思うから



『死ぬ』だの『誰もいない』だの、

そう思えるほどの行動を自分はしているのかい?

立ち止まって、周りを見渡して、『コレが世界だ』

アホ、寝言は寝て言え



『死ぬ』なんて言うなよ…

きっと、まだやれる事は沢山ある

きっと、まだやっていない事は沢山ある



あのBBSを見ていると、そう言ってやりたくなる



ココで一句



思うより 行動の方が やり難し



難しいからこそ、やってのける価値があるってもんだ

『負けるなよ?甘ったれ』



しっかしなぁ…まさか俺に『イジメられっコ』のレッテルが貼られるとは…

まぁ、10年も経った今、そんな事を覚えているのは俺くらいか

“イジメ”なんて、そんなもんだ

やっているヤツに加害者意識なんてものは無い

だからこそ、クソ腹が立つんだがね



その先導者?

ゴミっスねゴミ

以前ストーカーになったとか聞いたことあったなぁ

で、今では教師だとよ

冗談じゃねーなぁ、全く



御粗末です

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