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2016年05月11日(水)  出口

聞きたいことを訊けなくて、とうに1年が経った。

心は重いまま、どんどん膨らんで、このあいだの日曜日、とうとう潰れてしまった。
望んでいた場所には行けたけれど、それは決して安心などではなく、本当に今までと地続きで、何ひとつ心が動くことはなかった。その、微動だにしない自分の心に、ただただ混乱した。そして、やがて矛先は、ゆっくりと確実に、相手に向かう。
知れば知るほど、もっと知りたくなる。嫌われるのではないかと怖くなる。口を開けば不安や不満や要望ばかり飛び出しそうで、何も話せなくなる。こんなこと前にもあったなと、毎日のように思う。おそろしいので具体的に思い出すわけにもいかず、無理やり忘れたフリをしてやり過ごす。何かしていないと不安で、1日に何通もメールを出す。しばらく返事が来ないと、ああ今度こそ嫌われたのではないかとすぐに落ち込む。でもそんなこと訊けるはずもなく、心を削りながら待つしかない。やっと来た返事は気のない内容で、やはりもう興味ないのかと絶望する。それも確かめる勇気がないから、ひた隠しに次のメールを打つ。そんなことを繰り返して、あっという間に深夜になり、返事を待ち、眠れず、次の朝がやってくる。お昼頃まで我慢して、何事もなかったかのように、くだらないメールを送る。

何をしていても、誰と話していても、常に意識している。どれだけ離れたり楽しんだりしたところで、私がかえりたくて仕方がない、その気持ちから自分自身が逃げられないのだ。

この日々の出口は何処にあるのだろう。

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