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こども病院 - 2007年07月27日(金)

彩衣の手術の詳しい説明があるというので仙台へ。
彼女は手術を30日に控え、24日から入院している。
嫁さんはもちろんずっと付き添い。

宮城県立こども病院は子供専門の病院という事で「子供に
優しい医療」を心がけているようだ。ここで白衣を着ている人は
いない。建物自体が病院ぽくないデザインで、中央の吹き抜けに
なっているところはちょっとしたショッピングモールのよう。
その中を上下するエレベーターはお菓子の家風。そして
いたる所に子供の遊び場がある。

そんな所で彩衣は自分の状況を理解しているはずもなく、
看護士さん達に愛嬌をふりまき元気一杯だ。

当日執刀医となる先生から約1時間半かけて手術前後の事も
含め事細かに説明をしていただいた。そして今回の手術の
重要性やそれに伴う危険性(当然ゼロではない)についても。

僕は専門学校時代、何を思ったか”医用工学科”に在籍したが
(バンドでデビューが決まったため専門課程は約半年で
退学となった)、今考えてみれば、それはこのためだったのかと
思うぐらい、先生の話はしっかり理解できる。心電図の実技も
やったし、何故か心臓についての事が一番記憶に残っている。

循環器外科である先生は僕と同じぐらいの年齢だろうか。
子供専門の心臓外科医というものはそんなにいないようだが、
その先生は年間120件ほどの手術を行っていて、そのうち
彩衣と同じ症例を去年1年では34件行っているらしい。
人柄もよく、この先生なら安心して娘を任せられると思った。


そして今日はたまたま病院の夏祭り。
時間になったので1Fロビーに下りてみてビックリ。フロアの
半分ぐらいがお祭の縁日と化してにぎわっている。部屋番号と
名前を告げると手作りのスタンプカードが彩衣に手渡された。
それを首にかけて通路沿いに歩くとお面や水ヨーヨー、駄菓子、
カキ氷などが次々に手渡され、そのつどカードにスタンプが
捺される。
「お帰りなさいませお嬢様ぁ」とカキ氷屋にはなぜかメイドが…。
これに喜ぶ患者(もちろん子供)はいるのか?それとも
これは患者の親に対してのサービスなのか?

スタッフは全て病院職員と恐らくボランティアスタッフ。
奥のホール内はマジックショー、ミニボーリング、モグラたたき
ゲームなどの催し物コーナーになっている。なんと普段は
威厳のある先生方がヘルメットを被り”モグラ役”をしている。

彩衣は縁日の雰囲気にキャッキャッと喜び、初めて食べる
カキ氷にオッカナビックリオイシイ顔になっている。

そして花火大会。間近で打ち上げられる花火は迫力満点で、
合間合間に拍手と歓声が沸きあがる。
当の彩衣は観覧席として敷かれたブルーシートの方に興味が
あるようで、花火そっちのけで物凄い勢いで這いずり回っている。

この夏祭り全体が、病院職員の患者を想う気持ち、そして善意の
募金から作られている。
彩衣の病気なんて大した事ないと思うぐらい、この病院には色んな
患者が集まっているが、そんな子供達やその家族がみんな
楽しそうにはしゃいでいる。
関係者の、この祭を盛り上げよう、みんなを楽しませてあげよう
という気持ちが痛いほど伝わってきて、僕は何度も目が潤みそうに
なってしまった。

そういえば数日前は同じような状況で、僕は楽しませる側にいて
同じようなことを感じていたが、まさか今日逆の立場になるとは
思ってもみなかった。

彩衣をこの病院へ連れてきてよかった、とつくづく思った。
必ず良くなるよ。


...




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