よりによって - 2005年04月10日(日) 昨日の夜から本格的に熱が出てきて39℃前後の状態が 続いた。病院に行こうと思ったら日曜日。とりあえず 今日は安静にしてしっかり治すことに。 食欲は当然いつものようにあるが、食べ過ぎて失敗する事 が多いので今回は押さえ気味にして、水分を多めに摂って ひたすら眠る。 夜、熱は一向に下がらない。明日はやっぱり病院か。 とにかく眠ろう。かすかに聞こえる雨の音が心地いい。 …と、突然けたたましくサイレンが鳴った。しかもこれは 間違いなくうちの分団(第十分団)の屯所からだ。 午後8時半を過ぎたぐらいだろうか。窓から外を 見てみると屯所(我が家から50mほど)にはすでに何人か 集まっている。 少しの間どうしようかと悩んだが、あの様子だと現場は この近くらしいので、役に立たなくても団員として 出動しなければ。まだ雨は降っているから山火事では ないはず。 急いでパジャマを着替えて屯所へ行ってみると、十分団の 団員はすべて揃っていたようで、屯所前の貯水タンクから ホースをつなぎ、消火作業を始めているらしい。らしい、 というのはそこからは現場がまだ見えないためだ。 気になる現場は屯所脇の坂を300m程下ったところの民家。 駆け足で現場に向かう。途中、玄関先で心配そうに 立っているおばさんに「よろしくお願いします」と声を 掛けられるが、今の僕に何かできる事があるだろうか。 現場に着いて唖然とした。毎日のように通っている 道路沿いの家が、まさにごうごうといたるところから炎を 噴き出し燃え上がっている。こんな現場に居合わせるのは 初めてだ。幸い中に人はいないらしい。大量の火の粉が 舞い上がり、すぐそばの林に降り注いでいる。雨が降って いなかったら確実に林野火災にもなっていたはずだ。 消防署の消火隊はもちろん、十分団や、他の分団も放水を しているが、火の勢いは一向に収まる気配なし。時々家の 中からパーンと何かが破裂するような音がする。 さすがにこれだけ遅く来れば人手は十分足りてるし、僕は これといってやる事もない。ホースの位置を時々修正する ぐらいしか無かった。 二階部分が崩れ落ち始めた頃にやっと火の勢いが収まって きた。火が小さくなってくるにしたがい、それに代わって 白い煙がもくもくと立ちこめ、風向きによってこっちにも 襲ってくる。必死にはめている軍手で口と鼻をふさぐ。 たまたま街灯もない場所で、この煙では視界がほとんど なくなる。 ほとんど鎮火するといよいよ真っ暗に。消防署の照明機材 はまだ届かないようだ。誰かが持って来た懐中電灯の 一つを借りて最終的な消火作業をしている消防署員の 近くへ。建物の裏の土手の上を歩くが、足元が雨で ぬかるんでいる上、僕の体そのものがフラフラしている 状態なのでまともに歩けない。 懐中電灯も必要なくなったようなので、申し訳ないけど、 と一人先に帰る事にした。ギリギリで別の分団の管轄では あるが、すぐ隣である十分団の団員もしばらく現場に 残らなければならないらしい。しかし今の僕にはとても そんな気力も体力もない。本当に申し訳ないという気持ちで 一杯だ。 実は今月1日、そう、新年度の初日にも建物火災で出動し、 今年は幸先悪いなーと言っていた矢先だった。しばらく 油断できないな。その前に風邪なんか引いてられないよ。 ...
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