KENの日記
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2017年04月27日(木) 遅ればせながら「ブニアテシヴリ」

クラシックピアノ界では「ブニアテシヴリ」が話題になっているようです。昨年来日してNHK交響楽団とシューマンを共演したようです。この時のシューマンとコンクールで演奏したブラームス2番で数小節飛ばしたにも拘らず共演者・聴衆から熱烈な拍手を浴び、もはや彼女の演奏は共演者・聴衆を強烈に捉えてしまう魔力を持っているかのようです。

ということで以前に録画しておいたブニアテシブリの「森のコンサート」を取り出して聞いてみました。最初に演奏されたバッハのカンタータ「羊は安らかに草を食み」の演奏が非常に安らかな演奏だったので、その後のトンデモない彼女の演奏を聞いていなかったのです。この続きを聞いてネットで話題になっている彼女の演奏の凄さを実感しました。

「カシア・ブニアテシブリ」はグルジア出身のピアニスト。大変な美人です。パリに出てきた頃の若い時代のクララ・ハスキルと顔が似ていると思いました。特徴は見事に大きな「鼻」です。演奏スタイルは「グレン・グールド」を想起させます。丁度グールドの1955年版ゴールドベルクに嵌っていたせいかもしれませんが、演奏する時に完全に自分の世界に入り込んでしまう雰囲気は二人に共通するところでしょう。更にグールドの超高速フーガ演奏ににてブニアテシヴリも指がよく回ります。

完全に自分の世界に入り込んでしまう演奏スタイルからグールドは「演奏会」から撤退しました。ブニアテシブリが協奏曲でオーケストラと合わなくなるという事態もグールドの「演奏会忌避」と似ているのかもしれません。グールドもブニアテシブリも音楽がそのまま頭に中に入っていて(楽譜としてではなく)、演奏の都度溌溂として音楽が流れだすのだと思います。

ブニアテシヴリは今年の秋に来日してリサイタルを開くようです。




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