2003年11月27日(木) |
いつ始まる和平交渉? |
和平交渉が一向に開始されません。これまでの経緯を少し振り返って見ます。
11月1日 LTTE(反政府組織)の暫定統治案が公表されて、各方面がこの案をベースの和平交渉が開催されるだろうとの楽観的な見方を表明。政府も基本的に前向きで、いよいよ本格的な和平交渉がはじまるという期待感が広まった。
11月4日 首相がアメリカでブッシュ大統領と会談しているさなか、クマラトゥンガ大統領が陸軍、内務、マスコミの三大臣を解任するとともに、国会を中断して政府の和平に向けた動きを牽制。
11月19日 国会が再開され2004年の予算が提案される。この間、大統領と首相とは何度か会談をもったものの、事態打開に向けた動きはなし。大統領は、大統領の指導の基に国民連合政権樹立を提案。これに対して政府は冷ややかな対応。
今日の新聞記事でLTTE指導者「プラバカラン」は「もし和平に向けた動きが頓挫することがあるとすれば、それはスリランカ政府内の内輪揉めのせいだ」と批判。残念ながらその通り。
和平交渉の進まない停戦状態は、お互いに戦争の準備をする期間に等しいのです。ちょうどNHK宮本武蔵で「大阪の冬・夏の陣」が進行中ですが、スリランカの状況はまったく同じ状況。LTTEは少年兵の徴兵をどんどん進めているようだし、政府軍がタミール人の「心の故郷」ともいうべきジャフナの占領体制を強化するために兵隊の増強を行いました。いったいこの国はどうなるのかしら。
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