僕が中学生の時、同じクラスに”のりちゃん”という子がいた。
のりちゃん。
すごく優しそうな響きだ。ほんわりしてそうだ。
でも、僕の知っている”のりちゃん”は、ほんわりとは程遠い子だった。
なんというか、ヒキガエルを潰したような顔(^^;をしていて、
なんだかすごく威張っていた。
のりちゃんはソフトボール部だった。
キャッチャーだった。どっしりしていた。
そして、後輩をネチネチいじめていた。
嫌われていた。(一つ年下のイトコ談)
それでも、のりちゃんには、二人の友達がいた。
いや、のりちゃんはその二人を子分だと思っていたかもしれない。
R子とH子。
二人とも、かわいい子だった。
そして、のりちゃんにはライバルがいた。
S子だ。
S子は、なんというか破天荒な子だった。
ルールに従うことはしないというか。
のりちゃんはそんなS子が気に入らなかった。
自分の支配下(のりちゃんだけが思っている)で、好き勝手されるのは
気に入らないみたいだった。
のりちゃんは、コトあるたびにS子の悪口を言っていた。
「あいつ、メッチャうっといわ。」
「アホちゃうん?絶対おかしいで?」
それに、R子もH子も同調していた。
「S子ってキモイよなー」
「うち、近寄りたーないわ。」
のりちゃんは、うんうんと満足していた。
そんなある日、僕は全く逆の状況を目にした。
S子の周りに、R子やH子が集まっていた。
そして、R子とH子が言っている。
「いつもは○○(のりちゃんの名字)といっしょにおるけどな。」
「ほんまはメッチャ嫌いなんで。」
「威張りちらしてなぁ。アホやで。」
のりちゃんがいない時、R子とH子はS子サイドに付いていたのだ。
そして、のりちゃんはボロクソに言われていた。
そんな光景を見て中坊の僕が思ったことは、
のりちゃんがかわいそうだなあということではなく、
R子やH子は嫌なやつらだなあということでもなく、
根本的に、
”女の子のドロドロした関係って恐いなあ”
ということでした。
・・・その後、何人かの女の子にこの話をしたことがあるのですが。
「そんなもんだよ。女の関係って。」
なんてクールに言う子もいれば、
「そんなことはないよー。女友達の関係って。」
なんて言う子もいて。
ホントのところはどうなんでしょう。。。
まあケースバイケースってこともあるのだけど。
そういえば、のりちゃんは今頃何しているのだろう?
ガソリンスタンドでバイトしていたまでは知っているのですが。
そして、そこのお客サンが激減したというところまでは、
知っているのですが(イトコ談)。
|