ゼロの視点
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2009年10月12日(月) ボトックスの効果

 我が家は、あまりテレビはみないほうなのだが、ふとテレビをつけたら、いきなりSégolène Royal(左派政治家セゴレヌ・ロワイヤルで、サルコジと大統領の座を争った女性)が、討論番組のメインで出ていた。個人的に長いことこの人のことが嫌いな私は、うっぜーーと思いながらも、しばらく彼女の言うことを聞きながら、その顔をまじまじとみつめてみた。

 何かが変だ・・・・・、ううーん、お直ししたかこのばばあ?、等と内心思っていたところで、私の隣でテレビを同じように見ていた夫が『彼女、お直しした?』と、私に聞いてくるから思わず大爆笑。

 私を含め、オンナはいつもつまらんことに細かいとか、どうしようもないことに気づく等と批判的だった夫でさへも、セゴレヌ・ロワイヤルの顔の微妙なトコロを感じ取ったと思うと、私としては爆笑しないではいられなかった。

 ま、そのくらい異様なほど皺がなくなっているだけでなく、どんな話題になろうと、顔色ひとつかえずというか、顔の筋肉ひとつピクリとも動かさず、冷静にあらゆる質問に答えているように見えるセゴレヌ・ロワイヤル嬢。こりゃあ、ボトックスたんまりと注入したか?、ってな感じであった。

 というわけで、こういった変化に気づいた夫に即座教育じゃないが、ただ《お直し》という漠然とした表現ではなく、もっと具体的な言葉とその効果を“鉄は熱いうちに打て”じゃないが、彼に伝えておこうと思い、テレビみながらその脇で、自分のノートパソコンにて、とある検索をしてみた。

 GOOGLEに、フランス語で彼女の名前と、ボトックスと入れようとしたら、セゴレヌと打った瞬間に、すでにボトックスという言葉と一緒に検索はどうですか?、とGOOGLE側から提示があり、ここでまた大爆笑。こりゃあ、相当な数の人間が私と同じキーワードで検索してる・・・・・、というわけだ。そのあとは、Googleの画像検索にて、ボトックスを入れるとどういう効果とダメージがくるか?、というのを夫と二人で学習。

 お国柄かどうかわからないが、デコルテといって、胸元をばっくり開けておっぱいの谷間を強調することをセクシーとする土地がら、胸にシリコン入れてる友人&知人には山ほど会っている私。あとは、リフティングと脂肪吸引をやって異様に若返った女性陣の知り合いもたくさんいるのだが、顔面ボトックス丸出しな人にはまだ直接出会う機会がなかった私だった。

 が・・・・・・・・・、さすがに夫婦揃ってボトックスについて学んでしまったせいか、その翌日に貴重な機会がやってきてしまった。知り合いの知り合いぐらいの、ゆるい知り合いのアメリカ人がたまたま、レストランでの夕食に招いてくれたので、いそいそと出かけていった私たち夫婦。

 パリのど真ん中にあるレストランだから、くれぐれもクルマでこないで徒歩で来いと伝えておいたにもかかわらず、このゆるい関係の知人Aが、今、一番入れ込んでいるガールフレンドを同行したいとのこと。そして、その彼女Jがハイヒールで100m以上は歩きたくないということで、クルマ移動という手段を選んだA。

 結局、わしらの予想通り、たいした距離でもないのに、わざわざクルマ出したAらは、待ち合わせの時間を1時間弱オーバー・・・・・、もちろんその理由は『クルマを駐車する場所をみつけられなかった・・・』であり、その言い訳を直接、A本人から耳にするとますますイライラしてきていた私。

 イライラしながらAの後ろにいる、彼が今惚れまくっているという彼女Jの姿を発見したのはいいが、その彼女の顔が、まさに《マダム・ボトックス》で、固まりながら彼女の顔から視線をはずせない私と夫!!!!!。彼らがフランス語を解さないことをいいことに、小声で私に《まさか、昨日ネットで学んだボトックス注入オンナに、こんなカタチで遭遇できるとは思わなかったよ・・・》と夫が囁いてくるので、笑いをこらえるのに精一杯。

 それでも、なんだかんだいいながら大人になった私は、表面的には顔色ひとつ変えず彼女らと会話を進める役を自ら買って出てみた。Aとどのように出会い、今HOTなのかみたいなものを、まるで日本のテレビ番組《新婚さんいらっしゃい》のように、インタビュー。

 すると、このボトックス嬢は予想以上に、自分に焦点があてられた会話を喜んでくれた模様で、色々なことを率直に話し出してくれた。

 彼女曰く、二人は運命的に出会い、今、本当にラブラブで、近いうちに一緒に暮らす予定だとのこと。とはいえ、Aがあまりにも社交的すぎるのが不安ということもあり、一緒に暮らすにあたり、彼女は、Aが住所、電話番号、メールアドレス、仕事すべてを変えることを望んでいるということだった。

 こうすれば、邪魔者は減り、彼女と彼女の家族にべったりなAをゲットできるのだ・・、と、Aの目の前で彼女が語りあげたこと自体に、非常にビックリしたゼロでした。ここまで独占欲が強い人って、すげーーーーーーっ、とただただおったまげーーーーーーーーーー。

とはいえ、このカップルがこれから続いていくのか否かは、さっぱりわからないのでありますが・・・・・・・・・。



Ségolène Royal


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