ゼロの視点
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2007年02月07日(水) 煙草

 2月1日から、このフランスでも、公共の場所での禁煙が実施されはじめた。レストラン、カフェ、ディスコ乃至はクラブなどは、来年までこの法は施行されないとはいえ、とうとう、禁煙の波がフランスにもやってきた、というわけ、

 さて、こんな状況を、非常に涼しい顔して過ごしているのが、わ・た・し、である、ふふふ。

 かつての私を知っている人間ならば、肺がんを患ってもまだ看護婦に隠れながら煙草を吸い続けそうなイメージがあるのだろうが、実は、私、2005年9月15日に、すっぱりと断煙以来本日に至っている。

 そして喫煙者の友人らは、《ゼロだけはやめないだろう》と思っていたゆえに、私の断煙は、かなりの衝撃だったらしい(笑)。



 さて、夫の趣味は、喫煙者を忌み嫌うこと。私が断煙するまでは、煙草をめぐる仁義なき戦いが、夫婦の間で繰り広げられていたものだった。

 煙草はいかに身体に悪いか?、等というパンフレットや記事の切り抜きなど、夫の戦いの歴史が、まだ我が家にはたくさん残っている。そして、戦っている最中の私は、そういったものをみつけるや否や、すべてゴミ箱に片っ端から捨ていくのが日常だった。

 ふとタンスを開けると、そこに肺癌の写真があったり、化粧をしようと戸棚を空けると、そこからは煙草の害についての統計グラフが貼り付けてあったりと、敵も日々進化していた。

 中国にも長年住んだ経験もあり、漢字が大好きな夫であったが、最後には《肺癌》という漢字を覚えて、ポストイットにたくさん肺癌を書いては、家中にそれを奴は貼り付けたりもしていた・・・・(汗)。

 
 一方私は、こういった夫の攻撃に敗れて断煙したかと思えば、そういうわけでは決してない。ただ、煙草の値段が5ユーロを超えてしまったことが、一番の理由なのだっ!!!!!!!!。

 ユーロが導入される頃、一時は1ユーロ=100円などという、夢のようなことがうたわれていた時代もあったが、今は、強烈なユーロ高、1ユーロ=150円などはざらな昨今、5ユーロの煙草は、日本円にして750円はくだらないことになる。

 そして、1日1箱吸っていた私は、これを単純計算すると、1年で軽くフランスと日本を往復する日系直行航空券を簡単に購入することも可能なことに気づき、真っ青になって、煙草をやめたいと思うようになったのだ。

 ましてや、母のことで日本に戻らねばならない機会がたくさんあるというのに、だ・・・・・。

 だが、一度も煙草をやめようと努力したわけでもないのだ。それはある日、突然きたのだった。

 2005年9月15日、映画に行く寸前に煙草が切れた。私は、これから出かけて、映画館の横にあるタバコ屋で、いつもの銘柄1箱を調達・・・、と考えた。そして実際に映画館に到着して、あたりを散策してみたが、私が勘違いだったのか?!?!?!?、タバコ屋はなかった・・・・。

 そして煙草を替えなかった私は、そのまま映画館に入り、映画を鑑賞して、以後、煙草を吸うことがなくなってしまった・・・・、と、ただそれだけのことなのだ。

 ニコパッチもなにもしようせず、禁断症状もなく、現在にいたっているのが自分でも不思議だ・・・・。そのくらい、禁断症状というものがすごい、と思い込んでいたからなのだが・・・。

 また、煙草に関する思い込みが強かったのは私だけではなかった。夫なりにも色々と思い込みがあって、煙草をやめたからといって、肺はまだ黒いのであり、長年喫煙者だった人間は《すべて肺がんになる》という考えかた・・・・。

 1月の終わりから昨日まで、体調を崩し寝込んでいた私なのだが、同時に激しく咳き込んでいた・・、それも朝から晩まで・・・・。

 そんな私の咳を夫が、咳き込んでいる嫁の背中をさすることもなく《やっぱりずうっと喫煙者だったから、ゼロは咳き込むんだね・・・》と言い放つっ!!!!!!。

 なんじゃ、このやろう?!?!?!?、と思いつつも、またゲホゲホするので、反論もできないか弱い私。

 とはいえ、ちょっとからかってやろうと思って、更に弱弱しいフリをしながら遠くとみつめつつ、次のように夫に言ってみた。



《そうかもね・・・・・。確かに長いこと喫煙者だったし、ね、わたし・・・。肺癌かもしれないね、きっと・・・・。今年の夏のバカンスが最後かなぁ・・・》

・・・・と。



 そして、言いたいことだけ夫に言った私は、咳き込み続けながらも翌朝まで熟睡してしまっていた。そして、朝、夫の顔をみると、青白く頬もちょっとこけたような印象・・・。わけを尋ねると、一睡もできなかったという・・・。

なんで?!?!?!?!?!?。

 
 最初、まったく理由がわからなかったが、問いただしてみると《私の発言》が原因で、夫は不安のどん底に突き落とされたらしく、一睡もできなかったことが発覚した(爆)。あんなくらだんことを、本気にしていたのか・・・、と思うと、笑いが止まらず、その笑いのせいで、咳がはじまり、今度は咳が止まらなくなる・・・。

 すると、そんな私をみて、医者でもないのに私に向かって《ゼロはやっぱり肺癌だっ!!!!!》と、勝手に真っ青な顔して診断する夫・・・・。

 そんなに私に肺癌になってもらいたいのか?!?!??!、とこっちが不安になるほどでもあるのだが、笑って咳して忙しい嫁を横に、夫はかかりつけの医者に緊急予約を入れてしまったので、2時間後に医者にGO。

 そして、その医者相手に《夫が勝手に私に肺癌と診断するのですが、いかがなもんでしょうか?》と、駆けつけ一番にわしが話すと、医者が大爆笑。色々と検査をして、ただの風邪でしかないことが判明されたので、その場で夫に電話するものの、まだ、疑心暗鬼な彼・・・・。

 やっぱり、彼は私に死んでもらいたいのかなぁ・・・・(爆)?!?!?!?。




 とはいえ、今回の件でふと思ったのだが、もし私が突然ぽっくり夫よりも早く逝ってしまうようなことがあった場合、夫は日本でどうするんだろうか、と・・・?!?!?!?。母一人娘一人な私で、その母がすでに認知症なわけであり、日本語ですらなかなか難しいというのに、夫は日本語が駄目なうえに、日本の行政機関のやり方すら知らないわけであり・・・。

 どうやって、うちのおっさんは、日本のものを相続できるように振舞えるるんだろうか?!?!?!?。

 ああ、考えれば考えるだけ、めんどくせぇっ!!!!!!。
 


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