ゼロの視点
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2004年07月21日(水) 民族大移動

 私の予感どおり、バカンス先は激しい勢いで“クロアチアか?”と思わせておいて、突然コルシカ島に決定、という結果になった。



 ほらね・・・・・・。

 やっぱり・・・・・。



 コルシカ近辺で、ヨットで優雅にクルージングしている友人ES一家に合流するのだ。でも、ただ合流するだけじゃつまらんので、まず2人でコルシカに飛び、数日内地でブラブラしたあと、ヨットに乗り込むというのが大まかなスケジュール。

 アラン・ドロンを一躍スターに押し上げた映画『太陽がいっぱい』みたいに、最後に殺人になっちゃったりして?!?!?!、等と想像してみたりする私(笑)。


 クロアチアは、先日のSの説明だとドイツ人の避暑地と化しているとのこと。中産階級以下のドイツ人が、せっせと通いつめるバカンス先の一つらしい。

 確かに、ここ数日間パソコンに張り付いて、航空券などの発見状況などを調べていたが、ドイツ系航空会社が主で、すべて満席。現地ホテルの予約ができたとしても、そこにたどり着く手段がないんじゃしょうがない。

 また、1週間単位のクロアチア・バカンス・パック旅行は現在でもたくさんフランス国内で販売されているが、私たちは1週間じゃなくて、2週間はのんびりしたい。しかし、パック旅行の常で、期間延長は不可能とのつれないお返事・・・。

 ホテルだけ予約しておいて、あとはパリから延々と列車ないしは、レンタカーに乗ってアクセスするか?、とまで考えたが、そこまで疲れることもしたくないので、結局今年のクロアチア行きは断念。

 そんなところに、入ってきた一本の電話。それがESからだった。

 今年のコルシカ島観光客は、例年に比べて30%減とのこと。イヴォン・コロナ問題にはじまり、テロだのなんだので、すっかりイメージダウンしたらしい。確かに、コルシカに関係ないフランス人の多くは、コルシカ人のことを激しく嫌っていることが多い。

 コルシカ人さへいなければ、コルシカ島はいいところだ・・・、と言っている人をよくみかける。が、実際には、パリも同じ事。フランス人さへいなければ、パリは素晴らしい、等と世界各国のパリ憧憬者たちが語り継いでいるのは本当のこと、だ(笑)。

 今のパリは、日に日に外国人観光客で埋め尽くされはじめている。道やメトロで耳に入る言語のバリエーションは、実に豊富。いつものように、メトロの階段を駆け上ろうとしても、前へ進めないこともしばしば。というのも、のんびりした観光客が、横にひろがって、チンタラチンタラと歩いているからだ。

 噂によると、パリというのは、世界で一番観光客が訪れる、とのことだが、そんなにある意味“魅力的”な土地から、意地でも違った場所へバカンスに出かけたいと思う、パリジャン・パリジェンヌの姿が、妙に笑える。


 が、人のことは笑っていられない・・・、ということが判明した。

 夫の昔からの友人一家Pが、8月中旬から関西を中心に日本でバカンスをすることになったのだ。この件で、私は数日前から、俄か旅行代理店のようになり彼らの相談にのっている次第。

 私だったら、絶対に8月の日本へは行きたくない。特に、今年の夏の猛暑報告を、友人からのメールやら、ネットやらで知るたびに、ハーハーと息と体温が同時に上がってくるようだ。これぞ、バーチャル猛暑体験。

 私が“ねえねえ、日本の夏はすごーーーーく暑いんだよ・・”“京都なんて、灼熱地獄だよ・・・”と言っても、彼らの日本旅行に対する熱意は消え去らない。逆に、もっと燃え上がっていくようにすら感じられるのが、怖い。

 P一家の家長であるYは、神戸に海岸があると聞いて、そこで本格的ダイビングをやるつもりだったらしい(笑)。この話を聞いただけで、彼らは日本を除く、東南アジアにある、ゆったりとくつろげるリゾート・ビーチを都合よく想像しているのが伺える・・・・・、非常にイタイ。

 これを、現在パリ住まいの友人T氏(関西出身)に話すと、大爆笑。どうせなら、ということで、彼らに須磨海岸近辺の工場配置地図を、彼らに見せてあげるように頼んでみた。実際に地図を見せられた彼らは絶句(笑)。

 そして、地図を見せてあげているT氏自身、来週からビザの手続きなので一度関西に戻らなくてはならない運命。色々と準備があるので、一ヵ月半ほど関西に留まるのだが、猛暑を考えるだけで、今から鬱モード。

 同じところへ行く人間同士で、ここまで極端なコントラスト。なんともいえない・・・・。



 

 自分が属している社会および日常生活から、思い切り“金払ってでも”“苦労してでも”離れること、それがバカンスの目的なんだな・・・・、と、つくづく痛感したゼロでした。


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