これもまた、自分と認めざるをえない - 2010年10月16日(土) 土曜はおトモダチとギロッポンに。 「これも自分と認めざるをえない」展、 再訪してまいりました。 展示終了まで間がありますが、 忘れないうちに感想を記録したいので、 以下にてネタバレしますよー。 入場するとまず、いくつかの自分のパーソナルデータを測る ブースが用意されている(測らなくても観覧はできる)。 一応、初回&2回とも測ってから観覧に臨んでみた。 『指紋の池』は、その場で採取された観覧者の指紋が、 まるで微生物のように群れなしてディスプレイを泳いでまわる。 初回は、指紋のひとつひとつに人間を感じてしまって、 「衛星から動画で人間だけを撮影したらこんな動きなのかな」 と思ったりした。 2回目は、指紋採取の装置に再度指紋を読み取らせると 池に放った自分の指紋が戻ってくることを知り驚愕。 やはり自分の分身なのだわねぇ。 『属性のゲート』は、性別、年齢などの属性を ゲートの上にあるカメラが捕らえた画像から「判断」され、 適合するゲートが開いていく、という作品。 初回、性別は実際と同じだったが、さすがに ワシのココロが14歳なのは見抜けなかった模様(しつこい。 2回目も本人と乖離するデータは出ず。 年齢のゲートはなぜよりにもよって 「30歳以上」「30歳以下」で設定されていたのか! わかっていてもショック大なのである。 『座席番号G-19』は、部屋の中に1つだけ設えられた 劇場風の席に座って、画面に映る劇場客席の様子を眺めるもの。 最後に、先ほど自分が座った時の映像がそこへ現れる。 2回目は整理券制になっていたが、初回は運よく鑑賞できた。 ……アタマでかいな、ワシ。 『属性の積算』では、先ほど測ったパーソナルデータが活躍。 身長から候補となる人の名前がたくさん現れ、 体重を以ってその名前が絞られていく。 うまくすれば自分1人に絞られるわけだが、 初回、ワシは7〜8人までしか絞れなかった。 そんなに平均的か、ワシのサイズ(そんなはずはない。 初回のお連れ様は背が高いので、 外国人さんが候補にたくさん挙がっていた。 これもまた面白い。 2回目は見事ワシ1人に絞られたが、 おトモダチは結局自分1人に絞られなかった。 2人くらいだったりすると、相手が気になりそうだね。 『覗かれ穴』は、壁の穴の中を覗いた人の視線の先とその動き、 いわば「見てる対象とその推移」を壁の外に映し出す、と言うもの。 これがまた、穴の中の写真が人で一杯のビーチだったりする(笑。 ワシはといえば、初回は青と白の渦巻き柄のパラソルが たくさんあるのをひたすら見てしまった。 2回目はちょっと絵が違った気がする。 『休憩所』では、初回はその意図に気づかず 「尾行を作品化した女性」のビデオ作品をじっと観る。 お連れさんがおとなしい人なので、本当に座り込んでじっと観てしまった。 2回目は立ち寄らず。 『ふるまいに宿る属性』は、 空に描く「一筆書きの五芒星」のふるまいを 来場者のうち誰と近いものか分析する作品。 初回にワシが描いた星は、ワシのふるまいとは一致しなかったが お連れさんのと一致した模様(笑。 2回目は、ちゃんとワシのふるまいと一致していた。 どちらも、5〜10人くらいの「ふるまい仲間」がいた。 みんなが五芒星をどうやって描くか、気になる。 さて。 『頭の中の散らばり方』というタイトルで、 まさかPCのデスクトップを見せられるとは思わなかった。 茂木健一郎のデスクトップは マインドマップのように自由に散らかっていた。 椎名林檎のデスクトップには でかいハードディスクのアイコンが3つだけ。 DockにはProToolsが。 コーネリアスのデスクトップはインベーダーのアイコンがかわいかった。 入れ歯のアイコンの中身が気になる(笑。 『金魚が先か、自分が先か』は、 初回でおそらく鑑賞順を間違ってしまった… 鏡に自分が映っていない&鏡の中の水槽に金魚がいるのを観て、 思わず「向こうに同じつくりの部屋がある」のかどうかを 確かめてしまった自分が嫌なヤツ過ぎる。 『1組・2組・3組・4組』は、 鉛筆の持ち方をモチーフにして 鑑賞者のカテゴリ分けを行なう作品。 ただ、分け方の基準は謎なのである。 自分は、初回わりと希少な2組に分けられた。 2回目も2組だったが、今度は一番の多数派になっていた。 「鉛筆を寝かせる」組ってことかなぁ。 『After Image』は、事故で腕を欠損した人の 「幻影肢」に着目して、合成写真でそれを再現した作品。 「写真には写らない美しさ」を写真に写してしまうのが また芸術なのかもしれない。 『2048』は、虹彩データから観覧者を特定し、 そのデータをどこまでデリートすれば 個人特定できなくなるかを体験的に知ることができる作品。 初回ワシはわりとあっさり「もう、あなたではありません」になった。 しかし2回目はちょっと焦るほど「まだ、あなたです」であった。 虹彩データだもんね。出目金なのは関係ないよね…? 『Home of the heart』は、四角いコンクリートの塊に、 人間の胴体を納め、アタマと手足を出せるような穴が ぽっかりと空いている彫刻作品。 2008年の横浜トリエンナーレで観た ハイレッドセンター「シェルター・プラン」を思い出した。 外寸や質量は知っていても、自分の容積はなかなか知らないな。 さて初回の時はここで、 次の展示の手前にあったディスプレイを見て 『休憩所』の本当の意味を知る。 われわれが座っていた休憩所の上には俯瞰のカメラがあり、 ディスプレイにはその映像と、映像内で行きかう人の 「パーソナルスペース」を示す囲み線が表示されていた。 これ、微妙な混み具合の通勤電車とかでやったら 観察しがいがありそうな。 『新しい過去』は、自分の名前と好きな食べ物を入力すると、 それに合わせてさまざまな「新しい過去の思い出話」を 合成してくれるという作品。 テープレコーダーから喋り声が流れるのだが、 そのイントネーションがどうやらsoftalkっぽくて密かにウケる。 ワシのために合成された思い出話は、 風邪で熱を出した時に母が好きな食べ物を出してくれて、 それ以来その食べ物が大好きになるという内容。 実際のワシは風邪ッぴきの時に好物を食べた記憶がない。 寝込みながらも大好きなTV番組をどうしても観たくて ひたすら頼み込んで朦朧としつつ観たっけなー。 家にビデオデッキがなかった時代ですよ。 初回は初めて会う人と行ったのだが、 踏み込みすぎずにお互いを知るきっかけができて なかなかに楽しかった。 でも、そこそこお互いを知っている人と もう1回行ってみたいと思ったわけで、2回目は目論見どおり。 さて、新宿に移っておトモダチのオススメのもつ焼き屋さんで1杯。 もつ焼きも煮込みも旨くて結局1杯では済まなかったり。 立ち飲みだというのにたちまち足元の怪しくなる女子2名(…。) その後の当てが外れたもので、迷うことなくまた 居酒屋で飲み直す女子2名(……。) それはそれで楽しい週末であったことよ。 -
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