不本意ながら休日にはあるまじき早起きをしてしまった。 洗濯&掃除&針仕事までしてもまだ余裕があったので 前売りを買っていたエトワールを見にいこう。 もちろん韓国対スペインの時間までには帰宅するつもり。 なんとびっくり時間ギリギリに行って慌てて入ったら、私の他には老年男性しかいないのだ。 予告が終わるころに親子連れが入ってきたので最終4人の鑑賞客なんだけど。 大丈夫か?この映画館で公開されてから大分時間が過ぎてるしかな。
映画は私にとってはとてもよろしかった。 おそらくバレエに興味がある者にとってはその1つ1つのシーンが興味深くて 楽しめると思われる。 4つの階級のそれぞれの階級に属するダンサー達のバレエに対する情熱や苦しみ。ダンサーと取り巻く人々の情緒・精神(エスプリとルビが打ってあった)が 時には架空の出来事のように感じられ、時にはリアルに心に響いてくる。 それは語る人の性格や立場によって印象が異なるからという事もだけど、同じエトワール(4つの階級の中でもとくに任命されてなれる特別な地位)でも自分の立場やバレエをどう捉えて扱っているかそれぞれ違っていて、本当にそれぞれで人の話を聞くことって楽しいなあと思う。
印象的な場面はモダンとロマンチックバレエの舞台と裏をいろいろ見せてくれる所。「交響曲9番」「アポロン」「やさしい嘘」(違うかも(^^;)というモダン、特に第九が素晴らしい。そして「白鳥の湖」と「ラ・シルフィード」ああ舞台が見たい〜〜!と歯軋り。 パドゥドゥの練習をするエトワール2人の意見のやり取りシーン。アクロバティックな振り付けはこうして何度も何度も納得いくまで話し合って作り上げられているのだなあと。 絶対に出てくるよね?と思っていたミテキ・クドー。彼女は元・エトワールのノエラ・ポントワの娘で、こういう題材の映画にはもってこいだと予想できたから。 実際、ノエラも出演していて、娘でありダンサーであるミテキをどんなに大切に誇りにおもっているか語っている。とても素敵です。 女であり、ダンサーである彼女たちは家庭を持つことと同時に子どもを持つことでもおおいに悩むという。 40歳で定年(!)になるのに、子どもを産み育てるとなると考えどころなのだろう。 あるダンサーは「修道女になりたかった」と語っている。 それはかなえられずにでもダンサーという職業を選んだ。 人生を何かに捧げる。プロのダンサーにふさわしい言葉だと思いました。
〜そんなわけで、どんなに恐ろしいことがおきてもそれでも踊らずにはいられない人々。 確かにあのダンサーたちは特殊な立場なのだろう。 私がバレエを習ったことを告げると大抵の人々が驚くのは、この世界があまりにも非日常だからだろう。馴染みがないというか。 バレエに興味のない人はあまり見に行かなそうな映画だけど、もったいないなあと思う。 特殊な世界ではあるけど、私のような普通の世界に生きる人に夢や感動を与える人たちもまたそこで当たり前のように暮らしている。 人生に対する迷いと潔さ、愛情と壮絶な孤独。 そんな姿を垣間見れることで逆に特殊世界外の人生を考える時間が生まれると思う。 ・・・いやでもやっぱりバレエに興味ない、5秒に一回爆発やカーチェイスもラブロマンもない映画を見慣れていない人には辛い映画には違いない。 でもそんな場面より「愛情なんかでは言葉がたりない、バレエを生きる」人の生き様に私は圧倒されっぱなしの2時間弱でした。
〜幕間〜 帰宅途中、バス亭に向かうと待合のイスはガラガラなせいか4人ほどの客は適当に隙間をあけて座っていた。 3人がけのイスが4つ並んでいたと思うんだけど、3人、1人、1人(20代前半くらいの男性)、0人という状況だ。 私はそのうち詰めてくれるだろうと、最後の人の横に座りました。 バスは中々来ませんで、気付いたら私の後ろにどんどん人が並びはじめました。 でも私の横の男性は詰めてくれません。すると私の2つ後ろの女性が「つめてください」と男性に申し出た。 おおっと状況を見守っていると、男性はぼそぼそと聞こえるか聞こえないかのような声で「座ったらいいのに・・・ぼそぼそ」といったと思う。 「順番があるから・・」と女性は更にいうと、男性はやはりぼそぼそと文句を言いながら仕方なさそうに詰めて座った。 やれやれと思っていたら、男性が突然席を立って行ってしまいました。 私の後ろの客数人はポカーンとそれを見送りましたが、さっきの女性が「一体なんだったんですか?」と呟いたので私が見た所を述べてみた。 要するにあの男性はバスを待っていたのではなく、連れ(女性)を待っていただけなのだ。 その女性が来たから、立ち去ったまでなのだと。 更に皆あっけに取られる。口々にブーイング(笑) たいしたことではないけど、なんだか腑に落ちない。 バスに乗る人専用のイスだからといって絶対に座るなとは言わないと思うが、ガラガラだったら休憩していても誰も困らないしいいだろう。 しかし長蛇の列になったら、考えろよ!と思う。 人からとやかく言われるのがイヤなら、最初から座るべきではないし、座るなら詰めて座るか、人がきた時点でどくか、お先にと譲っとけばお互いに嫌な思いせずにすんだと思う。実際、申し出た女性はかなり勇気いったといっていたし・・・。てゆーか言われてもなお、ぼそぼそと席を立とうとしなかった所がかなり不審人物である。 もっとお粗末な点は、連れの女性が来た瞬間にものすごい早足で、女性が小走りにならないといけないくらいのスピードで立ち去ったこと。 その様子を見ると、自分が不愉快な目にあって八つ当たりしてそうで嫌な感じがする(これはあくまで想像だけど) そしてバスがきた直後、今きたギターを抱えたアンちゃんが待っている私たちなど無視してさっさとバスに乗り込んだ。 あ〜あ、どうしてこんな感じ悪い人間に一度に2人もあわなきゃなんないんだろ。
長くなりすぎた。サッカーについてかけない。てゆーのは嘘。もう書きたくない(笑) こんなに複雑な事情が絡まって楽しめないW杯もなかなかなかろ? でもそれは常連の国の人々がとっくの昔から味わっていた葛藤なのかもしれない。 日本もやっとその一歩を踏み出した証拠か。
改訂 2002.6.23 AM11:37
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