現実逃避中の私はマンガにはまっている。一度読み始めたら最後まで(本当の最後はいつになるのか)突っ走らなくてはいけない『ガラスの仮面』のせいである。 これは面白いんだけど、主人公である北島マヤにはなかなか感情移入出来るものではない。なにしろ『天才』だから。 子供の頃はただただ波乱万丈のストーリーにドキドキワクワクしながら読んでいたけれど、今になって読み返すと色々と(って程ではないが)考えさせられる。 例えば恵まれた環境で育った姫川亜弓の苦悩が昔はピンと来なかった。 美しく、裕福で、何をやらせてもトップクラスの実力。 全て満たされているからこそ一つの欠落が気にかかるのか、と思っていたけれど。 言い方は悪いが絵空事の物語の中で、姫川亜弓が一番生身の人間らしいなと今は思う(除:ジュリエットの腰かけシーン)。ここまで自分に厳しい人がいるかどうかは分からないけど、「努力する事」の天才。 自分自身を理解している、その点も好ましい。卑下せず、驕り昂らず。 何事も中途半端な私としては本当に恥ずかしくなってしまうようなお人である。 競争心って大事なんだなぁ……。争いを好まない八方美人の双子座AB型で兄弟とも比べられる事のない一人っ子の私はずっとぬるま湯の中。それでまた運動以外は何でもちょっとやれば人並みやや上くらいまで出来ていた。それも子供の頃の話。 そして気がつけば三十路。私には何もない。 努力の仕方がわからない。
岩館真理子のマンガに登場する女の子はけっこうダメダメな子が多くて、あぁ、私だけじゃないんだ、と安心出来る。本人は普通に真剣にやっているのに何故か蛇行してしまうような。 でもその物語を作っている岩館真理子はダメダメじゃないんだよなぁ。美しい絵と美しい物語を紡ぎ出す人。 あぁ、物憂い日曜の朝。
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夕食はまたまた手抜きの豚しゃぶ。というか大量の野菜を投入する野菜しゃぶしゃぶって感じ。 ポン酢はもちろんのこと、ごま油と塩で食べても美味しいんだよー。
買い物の際に山本文緒『恋愛中毒』を購入。気になりつつも手が出なかったタイトル。私の事か、みたいな。 いつも誰かに胸を焦がしている。それは芸能人であっても架空の人物であってもいいのだけど。 数年前、結婚したばかりの友達と 「誰かを好きになるという感覚がわからなくなった」 という話をした。そんな時の私は確かにある部分が死んでいたのかもしれない。 まだ読んでいないのでどんな内容かも知らないしどんな感想を持つかも分からないが。
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