息子 |
「かわいいのは小さい時だけですよ本当に。」 「かわいいのは小さい時だけですよ本当に。」
「小さい時はいろんな事期待してねぇ、」 「小さい時はいろんな事期待してねぇ、」
「大きく、立派に育って欲しいと思ったもんですよ。」 「大きく、立派に育って欲しいと思ったもんですよ。」
「その為なら何だってしてやろうと思いました。」 「その為なら何だってしてやろうと思いました。」
「愛情いっぱいで可愛がってねぇ。あの子も、すくすく育ちました。」 「愛情いっぱいで可愛がってねぇ。あの子も、すくすく育ちました。」
「でも大きくなったら、暴れ回ってね。」 「でも大きくなったら、暴れ回ってね。」
「小さい時は、私のする一挙一動に反応してかわいかったのに・・・」 「小さい時は、私のする一挙一動に反応してかわいかったのに・・・」
「今は大きくなっちゃって、私が何しようと、構うこっちゃないって感じですもの。」 「今は大きくなっちゃって、私が何しようと、構うこっちゃないって感じですもの。」
「私があの手この手であの子の気を引こうとしても、もう何も言ってくれない。」 「私があの手この手であの子の気を引こうとしても、もう何も言ってくれない。」
「涎垂らしていた、あの頃が懐かしい。」 「涎垂らしていた、あの頃が懐かしい。」
「今じゃもう目に見えないバリヤー張っちゃってね。自分の内にあるものを、私に悟らせまいとするかのようですもの。」 「今じゃもう目に見えにくい、ゴムのバリヤー張っちゃってね。自分の内にあるものを、私の中に入れまいとするかのようですもの。」
「あの子を家に入れるのが本当に怖かった時もあります。」 「あの子をまんこに入れるのが本当に怖かった時もあります。」
「小さい時は目に入れてもいたくない程かわいがってたのに。 「小さい時はまんこに入れてもいたくないと思ってかわいがっていたのに。」
「力強く育って欲しいと思ってはいたけれど・・・」 「力強く育って欲しいと思ってはいたけれど・・・」
「力強く、育ちすぎたみたいです。」 「力強く、育ちすぎたみたいです。」
「ああなってしまったらもう、私はあの子をとめる事が出来ない。」 「ああなってしまったらもう、私はあの子をとめる事が出来ない。」
「でもね、時折、気が向いたように、優しい時だってあるんですよ。」 「でもね、時折、気が向いたように、優しい時だってあるんですよ。」
「普段、不安な分、その時は本当に嬉しくてねぇ。」 「普段、不安な分、その時は本当に嬉しくてねぇ。」
「まぁ、でも、すぐ元の荒々しい子に戻ってしまうんですけどね。」 「まぁ、でも、すぐ元の荒々しい子に戻ってしまうんですけどね。」
「ほんと、あの子には何度も泣かされましたよ。」 「ほんと、あの子には何度も泣かされましたよ。」
「私だけだったらいいんですけど、よそ様にまで同じ事してるんじゃないかってハラハラしてね。」 「私だけだったらいいんですけど、よそ様にまで同じ事してるんじゃないかってハラハラしてね。」
「寝ている時なんかは、本当にかわいいんですけどね。寝ている時だけ、私はあの子を好きに、ゆっくりなでてやる事が出来るんです。」 「寝ている時なんかは、本当にかわいいんですけどね。寝ている時だけ、私はあの子を好きに、ゆっくりなでてやる事が出来るんです。」
「いつか、あの子も元のかわいい子に戻ってくれると思うんです。」 「いつか、あの子も元のかわいい子に戻ってくれると思うんです。」
「それまで、私は、泣かされたって、あの子を見守ろうと思うんです。」 「それまで、私は、泣かされたって、あの子を見守ろうと思うんです。」
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2002年09月09日(月)
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