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2003年11月10日(月)

ったくもう、あの二人は一体何を考えているのか。
私がやっとこさ重い腰をあげて(ほんとに重いのだが・・・。って、ほっとけ)日記を書き、正規の数列に戻したというのにどっちも次を引き継ごうという気はないんかいっ!
仕事から帰ってきて、「さぁ、いれぎゅりゃ!でも読むかな。今日はあゆかな?るるかな?」なんてワクワクして開いてみれば、そこには『近況』の二文字。
「あれ?私とおんなじタイトルにしたのかな?」と人を疑うことを知らない私は、絶対にどちらかが書いてるもんだと信じながらも、恐る恐る『近況』をクリックした。
するとどうだ。恐怖の紫文字ではないか。
わしかいっ!
がっくりうな垂れた私である。
ああ、いいさいいさ。二日続けて書くさ。
そうだよな。いれぎゅりゃ!だもんな。書きたい時に書きたい人が書く不規則日記だもんな。
と、ここであゆとるるへの恨み節を書き綴ったところであの二人は屁とも思わないので無視して私はマイペースで突き進むことにする。


ってことで今日もゆみなです。こんばんわ。


さて、本題である。
長女に新しい彼氏が出来たという。
長女は高校時代からくっついたり別れたりを1万回ほど繰り返してきた4年来の彼がいたのだが、
その子とは一年前に「今度はほんとのほんと別れた。」と言っていた。
私はその彼がとても気にいっていたので、
「どうしてあんな可愛い子と別れたんだ?」
「あんたがワガママだからだ。」
「今からでも遅くはない。もう一回付き合え。」とさんざんけしかけたのだが、
絶対にイヤだ。と頑として私の意見を退けた。
退けたのみならず、「そんなに好きならママが付き合えばいいでしょ!」と捨て台詞を残してその場を立ち去った。


「私は構わないが、相手がイヤだろう・・・・」


私のつぶやきだけが誰もいなくなった部屋に虚しく響いたものだった。


そんな経緯があってから一年間、娘は特定のBFを作ることはなかった。
女友達と好きなときに遊びに行ったり、お金のない時は”彼氏”とまでは呼べないまでも気の合う男友達と飲みに行ってはさんざん奢らせたりと、
それなりにフリーな身分を謳歌したり、利用したりしていた。
その娘が自分から「彼が出来たよ。今度連れてくるね。」と言ってきた。
「その子はお笑いの分かるヤツか?」と聞いた私に、長女は
「ママの基準はそこなのか?」と痛いトコをついてきたが、そこなのだ。そこしかない。
娘は「分からないわけではない」と、否定の上に否定を重ねるというどちらにも解釈できそうな曖昧な返答をした。
そして長女は私と次女に向って今度彼を連れてきた日における、ある注意事項を告げた。


「今度の彼の名前はケンタロウだけど、間違っても冗談でもわざとでもケンスケとだけは言わないでね。いいねっ!」


ケンスケとは前の彼の名前である。
人に「名前を間違えないでくれ」という、いわば頼みごとをしてるくせに命令調で偉そうに言って来た長女に対し、
私と次女は少々長女を困らせてやれ、とばかりに「どうしようかな〜。」とあえて即答を拒んだ。
私は「万が一、間違ったら困るから、ケンと呼ぼうか。それならどっちにでも取れるよね。」と折衷案を提示してみた。
次女は「でも初対面でケンじゃぁ、いくらなんでも馴れ馴れしすぎるよ。」とケン説を不採用とした。
「じゃぁ、なんて呼んだらいいんだろうねええ。いっそ全然関係ないヒロシとかエイサクあたりにしてみるか」と、名前をネタにして二人でゲラゲラ笑いあっていた。
すると、そこで次女が
「じゃあ、無難なとこで”カレシ”と言うのはどう?」と、さすが十代らしい世の中を舐めきった妙案を打ち出した。
これなら決して間違いではないし、これから先、また違う彼氏を連れてきたとしても万能である。
「それは名案だ!」と私は次女の奇抜な発想に拍手を送った。
名前で呼ぼうとするから間違いが起こるのだ。漠然と「カレシ」と言えば、なんら問題はない。
しかも「彼氏」であることを家族に認定してもらうことになるのだから、彼自身も本望であろう。
隣で私たちの会話の一部始終を聞いていた長女に、
「ということになりました。」と、その旨を報告すると、
長女は喜んでくれるどころか「あんた方には絶対合わせない!」と言い放った。
せっかく誰も傷つくことなく、且つ、決して間違ってはいない彼氏への呼び名が決定したというのに長女の意外な反応ぶりに私と次女は
「なんでだろうね〜。おかしいね〜。」とまたゲラゲラと笑い転げた。


長女が彼を家に連れてくる日がいつなのか分からないが、私と次女はその日が来るのを今か今かと、てぐすね引いて待っている。





でも、会わせてもらえないかもしれない。







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