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2002年11月23日(土) ついに最終回!

こんばんは。
昨日、おやびんとお昼ごはんを食べたあとにケーキを2個食べたるるです。

ついに最終回ですね。。
第1弾から始まったこのリレー小説も、ついに今日で幕を閉じます。
皆さん、ほっとしてることでしょうが、
ワタクシは、できることなら今どこか遠くへ逃げ出したい気持ちでございます。

昨日、おやびんとお昼を食べることになったのも、
ワタクシが「最終回、どうやってまとめよ〜〜〜」と
弱気発言をしたことに端を発していたのです。
痰を発してはいけません。マナー違反です。

ええ、お昼でも食べながら
ちょいとお知恵拝借でも、とか
風向きによっては、ワタクシの書きやすい方向に持ってくように頼んじゃえ♪とか
思ってたわけですよ。
姑の息ですよね、ほんとクサイクサイ。

でもお昼に入った和食屋さんで
「お味噌汁は、あさりか貝になりますが、どちらになさいますか?」
と聞かれ
「あさりか貝って、あーた。。」
と真剣に考えちゃったり
「あ、あさりかカニでした。」
と言う女の子に
「あさりも貝だしね」とか
「そこでニコッと笑ったらかわいいのに」
とか言うのに忙しくて、上手い具合に談合に持っていけなかったんです。

これじゃいけない、と思ってさらに喫茶店に入ったんですけど
ケーキ2個なんて、あっという間に食べちゃいまして、
そこからお水で、2時間ぐらいしゃべってました。
嫌なお客さんですね、ゆみなって。

で、ワタクシはゆみなに
「祥子を、プロレスの試合中に殺しちゃおうよ」
と水を向けたところ、
それが、ワタクシの最終回構想の手助けになると直感でわかったのでしょうか、
ゆみなのやつ、
「わしは、今日あの二人にテニスの試合をさせる」
と言い出しやがったんですよ。
なんでゴングが鳴ってテニスやねんっ
祥子とクマコがスコートはいてムキになってラリーするんかいっ

でも、なんだかんだ言っても、プロレスの試合させちゃうところが
やっぱりおやびんですね。
ありがとう、おやびん。

でもね、でもね、
ワタクシが密かに練っていた構想とは逆方向なんだよ。。

というわけで、後はワタクシの指が動くままに
書いてしまおうと思います。
どうもすみません。
先に謝っときます。

では。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆

リレー小説第3弾
『誘われて長万部』最終回

鼻血を出したクマコの鼻の穴に、
試合中でありながらもティッシュを詰め込むチョーマンブの姿に
お茶の間の皆さんと一緒になって、和樹も涙した。

祥子、お前は心優しい女だった。
それなのに、俺は俺は、、、、、

その時リング上では、鼻血を出したクマコが
空を仰ぎ、自分の後頭部をコンコンと叩くふりをして
チョーに向かってチョップの乱れ打ちをするという大逆襲に出ていた。
ティッシュを取り出した瞬間から、チョーの動きは目に見えて鈍っていた。
祥子はレスラーとして厳しい練習に励む間、
心の奥深くにしまい込んでいた
初めて和樹にティッシュを鼻に詰め込まれたあの長万部の夜のことを
こともあろうか、大事なチャンピオンを賭けた試合中でありながら
思い出してしまったのだ。

それからはクマコの決め技が次々と決まり、
チョーの巨体はリングの上で動かなくなった。

立て〜〜〜っ!
立つんだ〜〜、チョ〜〜〜〜〜!!!

チョー側のコーナーから、リングにかぶりつくようにそう叫ぶ丹下段平の姿が
テレビ画面に映し出された。
いや、よく見ると丹下段平そっくりな丹子母鬼馬ニだった。
いや、もっとよく見ると丹子母鬼馬ニにそっくりな女だった。

なんでワラジはいてるんだ。。

和樹がお茶の間の皆さんと一緒になって小首をかしげている間に、
「、、スリー、ツー、ワン、、、カンカンカンカン!!」
とカウントダウンがなされ、クマコの勝利を告げるゴングが無情にも鳴り響いた。

祥子、もういい、もうラクになっていいんだよ
本当にすまなかった
もう帰って来い、ここに
そして、一緒にこの店をやっていこう
あの日、アントニオ榎木事務所に将来有望なレスラーがいると垂れ込んだのは俺なんだよ
きびしい修行の延長で、ついうっかりあの世に行ってしまえばいいとさえ思っていた酷い俺を許してくれ
今やっとわかったんだ、お前がどんなに大切かということが
さあ、きちんと籍もいれよう

和樹は婚姻届に自分の氏名を書き入れた。
「大場 和樹」
和樹の名前は "大バカ好き"だった。。。
だからなんなんだ。
最終回のわりには細かいネタだった。

ところが、そんな細かい和樹のチマチマとした独白とは逆に
リング上はなにやら物々しい雰囲気に包まれていた。
チョーの、いや、祥子の意識が戻らないのだ。
担架が運び込まれ、白衣を着た医師団が必死に蘇生法を試みている。

皮肉にも和樹がかつて望んでいた展開になったのだ。
リング上での事故死。

翌日のスポーツ新聞は、チョーマンブ哀悼の記事で埋められた。
和樹は遺体を引取るために、病院の霊安室に呼び出された。
今まで殺しても殺しても蘇ってきた祥子。
和樹はまた今度もその目を開いてくれると期待していた。
ところが今回だけは、まったくその気配も見せなかった。
冷たくなった遺体に残されたいくつもの青アザは痛々しく、
和樹の胸を締め付けた。

告別式が済む頃には、和樹も祥子の死を受け入れることができるようになっていた。
祥子への気持ちに気付いた途端の死別、、
和樹はショックと自責の念に堪えかねて、とても仕事など手につかなくなってしまった。
店は何日も暖簾を出さず、多少あった蓄えも
以前、一世を風靡した「100円玉1銭玉変換術」の冴子ちゃんに入れ込んだ際に
投資してしまい、今ではすっからかんだった。

そうだ、祥子の遺骨はあいつの好きだった長万部に納めよう
そして自分も祥子のそばに眠ろう
祥子なしの人生など考えられないのだから
店は祥子の恩人でもある榎木に譲って
せめてもの恩返しとさせてもらおう

遺書を書くと和樹は長万部に出発し、
思い出の地で祥子の遺骨を抱くようにして、自分の命も絶ったのだった。


本当に愛していない時には、何度でも生き返るが
愛してしまった時には、二度と生き返らない、
かけがいのない人になるということを
祥子は教えるために和樹の前に表れたのだろうか。。





それにしても簡単な奴だったなぁ
こちらから何もしないのに、どんどん自分で事を進めてくれて、、
手を汚すどころか、店まで手に入っちまったよ

和樹の遺品を整理しながらアントニオ榎木はつぶやいた。

いくら俺に惚れたからって、なにも殺すことはなかっただろう?


殺したわけじゃないわ
自分で死んだのよ
3枚におろしてね。。。

祥子は滝のように鼻血を流しながら答えると
和樹の遺品であるティッシュを鼻に詰め込むと、
榎木にしなだれかかった。

「お前は悪い女だな。。」

「てへ。」

この「てへ。」を聞いた瞬間、
榎木は初めて、フツフツと込み上げてくるものを感じたのだった。

  〜完〜







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