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こんばんは、るるです。
昨日のゆみな、何言ってるんでしょうね。 「最初に書いた人間は崩しきれない」 ええ、そうかもしれません。 しかし、だからといって、あゆをそそのかすのはやめてほしいです。 ワタクシ、最終回担当なんですからっ!(涙) 所詮、ワタクシたち3人が書くリレー小説です。 3人で今後の展開などを話し合うわけもなく お互いの思惑の交錯したものになっているわけですが、 ま、毎回こんなこと言って申し訳ないんですけど この裏切ったり裏切られたりの連続が、本人たち楽しいのです。 もうお気づきの方もいらっしゃるでしょうが、 最近じゃ、3人ともただ単にバトンを渡すのではなく、 「そこに立っていたのは、、」とか 「お前は何者なんだ、、」とか 「その計画とは、、」とか 思いっきり次の人に預ける方式を何気なく取り入れていて ほんと、イヤラシイですよね。 ちなみにワタクシ、昨日のゆみなの日記を読んだ瞬間、 「計画って、なんなんだーーーー!!(涙)」 と涙ながらに訴えたところ、 「わかんねええええええ!」 と即答され、まあ、思っていたとおりではありましたが なんともいえない焦燥感に襲われたのでございます。 和樹でいうところの、「沸々とこみあげてくる」ものを 感じたわけでございます。 さて、そんなこんなの『誘われて長万部』ですが、 ついに、誘われちゃいましたね、長万部に。 そうか、それでこのタイトルなのね、と膝をうった読者の方も多いことと思います。 ワタクシも膝をうちました。 ついでに肘もうちました、テーブルの角に。 肘を打つとビリビリビリッと手首から小指の先のほうまで しびれるの、あれ、参りますね。 そのわりには、「ここか?ここがツボなのか?」と ビリビリポイントを探して、何度も肘を打ってみたくなるのは どういうわけなんでしょうね。 そして探してる時に限って、なかなかポイントが見つからず 油断して乱れ打ちしてると、突如ビリビリビリッときて 痛いのに嬉しい!みたいな気持ちって、なんなんでしょう。 達成感? よくわかりませんが、リレー小説いきます。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆ リレー小説第3弾 『誘われて長万部』第9回 祥子と二人、長万部の地に降り立つと 3年前ここに来たときのことが思い出された。 借金をしてかまえた店が見込んでいたほど集客できず 行き詰まっていた和樹は、あてもなく旅に出てここ長万部に行き着いたのだった。 この素朴な町に身も心も癒され、 ふらりと入ったスナックで祥子に出会ったのだ。 あれから祥子を捨てることに躍起になっていた。 そして今も、これから始まる「長万部市優良肥満人授賞式」を利用して 祥子と別れることを考えている。。 俺は、一体なにをしたいんだ。。 祥子が俺になにをしたと言うんだ。 ただブサイクで鼻血ブーッでヒステリックで 自分勝手な解釈しかしないだけで、 この女は俺のことを愛してるじゃないか。 ふと横を見ると、故郷に帰って嬉しいのか祥子が歌を口ずさんでいる。 「お〜〜〜しゃ〜まんべ〜〜〜 お〜〜〜しゃ〜まんべ〜〜♪」 それは「オーシャンゼリゼ」のメロディーだった。 その歌を聞いた瞬間、和樹は懲りもせずフツフツと殺意を抱いた。 そうだ、こいつのこういうところが俺はイヤなのだ。 計画は実行するしかない。 その晩、前祝いと称して二人が出会ったあのスナックに行った。 和樹はボトルを1本入れた。 ボルトを入れたらナットが必要だからだ。 久しぶりに友達と会って嬉しそうな祥子を眺めながら 和樹はまた思いをめぐらせた。 こいつの言動には心底腹が立つことがあるが 働き者だし ブサイクではあっても愛想はよく 祥子が来てから、行き詰まっていた店の経営は持ち直した。 最近じゃ祥子の鼻血ブーッ見たさに 遠方からのツアー客まで来るようになった。 もしかして、こいつは福の神なのか? その福の神を俺は俺は、、、、、 「私、ここでこの人と出会って幸せをつかんだのよ〜」 昔の仕事仲間に冷やかされながらも、嬉しそうに話す祥子に 和樹は、にこやかに頷いた。 でも、もう授賞式は明日じゃないか。 明日になったら祥子は、祥子は。。。 和樹は自分でも理解できない感情にとまどい ひたすら飲んだ。 考えたくなかった。 もう、動き出した計画のことを。。 その翌日、優良肥満人の栄誉に輝いた祥子の授賞式は 国内外のメディアはもちろん、芸能界はじめあらゆる方面の人間でごったがえしていた。 祥子は興奮しまくり、例によって鼻血を出しまくった。 そのたびに「おおおおおお」という感嘆の声と、 パシャパシャというフラッシュの音が沸き立った。 和樹はその人垣の中に、アントニオ榎木の姿を見つけ出した。 彼こそ、世界のプロレス界を牛耳るドンなのだ。 榎木は満足そうに和樹にVサインを送った。 その晩、榎木は祥子にプロレス界入りを説得しに来た。 その容姿と鼻血ブーッのパフォーマンスこそ 低迷する日本のプロレス界には必要なんだ、 和樹と祥子の前に、札束を積み重ねながら榎木は言った。 祥子は和樹の目を覗き込むようにして 和樹の気持ちを探っていたが、 「このお金で、お店大きくできるね。。」 とつぶやくと、 「よろしくお願いします」 と榎木に向かって深々と頭を下げた。 Vサインを送ってくる榎木に、和樹は唇で微笑むしかできなかった。 祥子は俺のためにプロレス入りをするのか? それとも、俺の計画をすべてわかっていたのか? そんなに俺のことを。。。 思ったとおり祥子の両方の鼻の穴からは滝のように血が流れていた。 和樹は榎木のVサインをそのまま祥子の鼻の穴に突っ込み 「よろしくお願いします」 と言うのがやっとだった。 「じゃ、祥子さんをお預かりしますよ。 しばらくは虎の穴で修行です。 そうだ、リングネームは、、、、 うん、この地にちなんで チョーマンブに決めよう。」 言うだけ言うと、榎木はVサインを鼻に突っ込んだまま 祥子を連れて出て行った。 和樹はテーブルに詰まれた札束に目を落とすとつぶやいた。 「チョーマンブって、あーた。。。」 〜つづく
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