即興詩。即ち書きだめ。

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2003年08月21日(木)


異心同体





茜色の夕焼け と評された国があった
名前も知らない南の島だった
ばら撒かれた記憶をかき集めるように
君は両手を外側から心臓に向けて大きく動かした
勿論そんなもので昨日の君は救われない
おそらく明日の僕でさえも

君が屋上から身を乗り出して蜘蛛の糸を乞うとき
僕がメタファーとシュールレアリズムの間で安らかに文章を拒むとき
君と僕は確かに融合してばら撒かれた記憶の一粒になる
誰かの両手で一緒くたにされそうな黄昏の一部になる
君は僕であり、僕は君である が
言うまでもなく二人はひとつになれない
その証拠に僕は茜色の夕焼けが隠した空を見ることは無いし
君は静脈を循環するその赤いパトスの正体を知らない





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