あたしの朝は遅い。
普通の人なら「早朝」と言う時間に就寝するからだ。
雀も鳴いてるし新聞配達員がポストに新聞を入れる音が聞こえるし、爽やかだな、ごらぁ〜って思いながら眠るんだ。
眠りについて約3時間後。
あたしの安眠を妨げる着信音。
寝ぼけていて誰からかの着信なのか確認せずに出てみる。
（まだ8時半じゃん。何だよ。出なきゃ良かった）なんて思いながら。
「起きろ〜。早くこっちに迎えに来て」
彼だった。何だかそんな事を言われたように思う。
最近、抗鬱剤と睡眠薬を飲んで寝ている為、起きぬけのあたしの記憶は途切れ途切れ。
「？？？？」頭はパニック！！
バラバラな思考の末、理解できたのは
今日はあたしはお休みで、そして彼は早朝に仕事を終え、真夜中の12時までは時間が空いた。
あたしの家に向かっている途中だけど、寂しいから電車で迎えに来ていつものように合流しよう・・・って事。
「化粧もしなくていいし頭も洗わなくていいから、今すぐ家を出て〜」
もうすっかり慣れたけど、文字にしてみると何て勝手な人だw

取り合えずシャワーは浴びて、髪をブラッシングした
「化粧はしなくていい」と言われたものの、スッピンでなんか外を歩けないから、ファンデを塗り眉毛を書いて駅に向かった。

いつものように東海道線のグリーン車に乗る。
どこで落ち合うかわかんないから小田原までの切符を買った。
グリーン車であまり人が周囲にいない事をいい事に、あたしは電車の中でフルメイクする。ゲッ！馬鹿じゃねぇの。女子高生じゃあるまいし・・・
一緒にお風呂に入ってしまったら、すっかりスッピンなのにさ。

メールで連絡を取り合って結局、真鶴で合流して東京に向かう。
この間の2人のやり取りなんかなかったかのように、あたし達は呑気に世間話や、友人達の近況などを報告したりして、穏やかな車中の光景。
途中、川崎で彼の好きな洋品店に行くものの、お目当ての洋服は見つからず、昼間からすき焼きを食べて家に向かった。

家に着いてから6時間。
一緒にお風呂に入って、あたしは彼の頭と体と顔を洗う。
長い時間をかけてSEXして寄り添って眠った。
目が覚めてシャワーを浴びてたら
「何で一人でシャワーしてるんだ？」って彼もシャワーを浴びだす。
一緒にビデオを見て笑った。
CXの「PRIDE」を見ながらSEXした（あたし達がSEXしてる間にミルコが負けてたよ！クソッ！）
8時過ぎても彼はまだ「PRIDE」を見たくて腰が重い。
あたしの方が
「ほらぁ〜。早く出ないと仕事に遅刻するよ〜」ってようやく8時30分に家を出る。
またいつものように熱海まで同乗して、あたしは最終電車で東京に戻るのだ。
熱海には結局、間に合わなくて新幹線は諦め、真鶴で彼と別れる。
2回キスして別れた。

何時間も泣いた事なんか忘れてた。
「お前なんかいらねぇ」と思った事なんて忘れてた。
昨日の彼からの着信を無視してた事なんか忘れてた。
あたし達はずっと笑ってた。
彼に愚痴を聞いてもらおうなんて思わなかった。
一緒にいるだけで幸せだ。
ギュッって抱きしめてくれるだけで満ち足りている。
約3時間半の距離を最近は、毎週通って来る彼に感謝しなくちゃ・・・

明日は彼の誕生日。3歳年上から「2歳年上」になる。
つまんない事だけどちょっとこだわるあたし。

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