お店の女の子達と別れて帰ったのは朝の6時。
眠れない・・・
「よし!行っちゃお!」
あたしは小さめのPRADAのボストンバッグに約3泊分の着替えと下着を詰め込んだ。
ネットで長野のホテルを3泊予約した。
問題は彼がどこにいるかわからない事。
長野県か静岡県か山梨県にいつもいる。
ただ、長野県も静岡県も山梨県も広い。
何市にいるんだか・・・
でもいいや!長距離の移動は覚悟した。
あれだけ別れるって言ってる人に
「今、どこにいるの?」何て聞いても答えは帰ってくるかわからない。
それにどうせなら
「今、長野にいるんだよ」って言ってみたかった。
そう。ドラマみたいに
「来ちゃった」って。一度、やってみたかった。
それに、そうされるのが割と好きなタイプだよ。あの男は。
新幹線で長野に向かう。
長野駅の手前の上田辺りで彼からの着信(!)
デッキに出て話する。
「今、どこにいるの?」
どうか長野にいてくれ。
「静岡県だけど」あいたたた・・・・外した。
「今ね。新幹線に乗ってる。もうすぐ長野だよ」
「何で?何やってるの?」「Kちゃんに会いに来た」
「でも俺、静岡だよ。全然、方向違うじゃん」でもあたしはとにかく
「会いたいから。会うまで家に帰らないから」
熱海まで来れるかって言うから、調べたら長野から行くと17時くらいに熱海に着く。
「5時なら時間あるから会うよ」長野で新幹線で東京まで引き返して、東京からこだまに乗る。
結局、戻ってるし・・・アホだな。
「何やってるんだよ。来る前にどこにいるか聞けばいいじゃん」聞いても良かったのね・・・
今日1日で新幹線に3回も乗りました。
ちなみに高校の修学旅行以来の新幹線でした。
熱海に5時まで彼が間に合わなくって、結局、伊東で会った。
海を見ながら車の中で話した。
「何しに来たの?別れたんだよ?俺たち」その割に彼はニコニコして、あたしの頭を撫でちゃったりしてる。
「別れ話」の切迫した雰囲気は皆無。
「しかし急に来るなんて。何やってるの?バカだなあ」「Kちゃんに会いたかった。話したかった。どうしても」
「でも駄目だよ。別れるよ」「あたしの事、好きじゃなかったの?前の日まで愛してるって。すぐに会いたいって君は言ってたじゃん。嘘なの?」
「嘘じゃないよ。本当にそう思ってたもん」「たった1日で変わるわけないじゃん」
「変わるんだなあ。これが」「そんなの変だよ。勝手だよ」
「あたしは納得しない。嫌だよ」
「お前は俺じゃなくていいよ。俺は必要ないんだよ」「絶対必要!君じゃなきゃ駄目!」
「じゃあ一旦、別れよう。距離置こう。友達になろう」「また?前も別れて結局、うちら付き合ってるじゃん。しかも会いに来たのは君から。友達とか言ってエッチしてたじゃん!」
そんなやり取りが続いたけど・・・
「樹杏は本当に俺が必要なの?俺じゃなきゃ駄目なの?」「駄目!絶対にKちゃんじゃなきゃ駄目」
「”別れない”って君が言うまであたし帰らないからね!」
「わがままだなあ。もう」でも終始、彼はニコニコしてた。
あたしの頭を撫でてた。
「ホントに樹杏は俺じゃなきゃ駄目?」「駄目だよ。じゃなきゃこんなとこまで来ない」
彼に抱き寄せられてキス。
「これが答えだよ」その後はいつも通りのあたし達。
コンビニでもベタベタしてた
「何かいつも通りだなあ」彼は笑う。
時間はわずかしかなかったけど、ラブホに行った。
「即ベット!」(注※「即ベッド」とは風俗用語だと思われる。風呂に入る前にSEXするサービス。高級店で行われてるらしい)
朝にシャワーに入ったきりだから、あたしは拒否したけど
「お前のだから汚くないよ」と言いながら服脱がされて押し倒されて・・・
さっきまで「別れる」って言ってたくせに。
「1日しか別れなかったね」変なの
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