「物言わぬ他者から、物言う他者へ」 というのが、一応私の修論のコンセプトではあるのだが。 もう既に、破綻をきたしているような気がする。 「物言わぬ他者」 というのは、著書『オリエンタリズム』でエドワード・サイードが、 西洋(オキシデント)から見た東洋(オリエント)の在り方について 表現したものなの。 自分たちの姿を真逆に映す鏡であり、相手(の文化)を劣等である ということを自分たちが「識る」ことによって、植民地支配を正当化し、 自分たちの支配の構造に組み込むのである。 ・・・ということだと思う、多分。
しかし、なんだか博物館学の中の歴史学が専攻だった筈なのに、 微妙に文化人類学になってきているような気がする今日この頃。 特に19世紀から20世紀初頭にかけての 博覧会についてまとめていると。 メインで使っている本の著者が、文化人類学で有名な人らしいので、 当り前といえば当り前なのだけれど。
しかも、このあいだのチュートリアルで、嘘ついていたし。 いや、嘘つく気ではなかったのだけれど。 シカゴのホワイト・シティーでの博覧会の話と、 ロンドンのホワイト・シティーでの博覧会の話をごっちゃにして、 説明していたようだよ! 白の都っていうのには妙に憧憬を感じるが、 シカゴの博覧会は強烈な、人種差別で成り立っている。 アフリカやフィリピンの「未開民族」から、 西洋(特に米英)の文明に至るまでの、 文明の進歩を表しているのだそうな。ほっとけ。
|