英国留学生活

2003年06月28日(土) 物言わぬ他者

「物言わぬ他者から、物言う他者へ」
というのが、一応私の修論のコンセプトではあるのだが。
もう既に、破綻をきたしているような気がする。
「物言わぬ他者」
というのは、著書『オリエンタリズム』でエドワード・サイードが、
西洋(オキシデント)から見た東洋(オリエント)の在り方について
表現したものなの。
自分たちの姿を真逆に映す鏡であり、相手(の文化)を劣等である
ということを自分たちが「識る」ことによって、植民地支配を正当化し、
自分たちの支配の構造に組み込むのである。
・・・ということだと思う、多分。

しかし、なんだか博物館学の中の歴史学が専攻だった筈なのに、
微妙に文化人類学になってきているような気がする今日この頃。
特に19世紀から20世紀初頭にかけての
博覧会についてまとめていると。
メインで使っている本の著者が、文化人類学で有名な人らしいので、
当り前といえば当り前なのだけれど。

しかも、このあいだのチュートリアルで、嘘ついていたし。
いや、嘘つく気ではなかったのだけれど。
シカゴのホワイト・シティーでの博覧会の話と、
ロンドンのホワイト・シティーでの博覧会の話をごっちゃにして、
説明していたようだよ!
白の都っていうのには妙に憧憬を感じるが、
シカゴの博覧会は強烈な、人種差別で成り立っている。
アフリカやフィリピンの「未開民族」から、
西洋(特に米英)の文明に至るまでの、
文明の進歩を表しているのだそうな。ほっとけ。


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