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| 2006年03月14日(火) ■ |
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| ホワイトデー |
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昼間、雪が降って、とても寒い一日だった。少しでも積もれば、まさにホワイトデーだったのだが、雪が降ったというより、雪が舞ったという程度だったので、残念ながら白くはならなかったし、今日がホワイトデーだということも、すっかり忘れ去られたようだ。
アン・タイラーの本を読み終える。アン・タイラーの本は、誰かの愚痴を聞いている気分だというのは、この本では主人公が周囲の人の愚痴を聞いているという、そのとおりの内容なので、まさに当たっていたわけだが、主人公が愚痴を言わない分だけ、微妙に救われた。
今日は夕方、突然携帯が壊れて参った。DMXの能登谷さんと、アポロ13号の仕事の件で大事な話をしているときに、いきなりプツっと切れた。正確に言えば、プツっという音もしなかった。それから電源も入らないし、うんともすんとも言わなくなってしまい、途方に暮れる。去年の暮れに新しくしたばかりだし、全くの原因不明。
家の電話でかけ直そうと思ったら、DMXの電話番号が携帯に登録してあるだけだったし、みのやんのアドレスも携帯にしか入れてないので、電話をかけることさえできなくなってしまった。最近、手帳に書いたりしないので、こういうことがあると、本当に困る。
いろいろ考えた末、HAVANAに電話して番号を聞くというのを思いつき、結果、30分後くらいにやっとまた話ができた。よほどのことなら、歩いていってもすぐ近くだからとは思ったけれど、マジで電話番号やアドレスは、別に控えておかなくちゃと思った瞬間。
その後、しばらくどうにもならなかったけれど、明日携帯屋に行かなくちゃと思いながら、携帯の画面をクリーナーで拭いていたら、これまた忽然と復活。一体なんだったのだろう?
〓〓〓 BOOK
◆読了した本
『Back When We Were Grownups』/Anne Tyler (著) マスマーケット: 328 p ; 出版社: Ballantine Books (Mm) ; ISBN: 0345477243 ; Reprint 版 (October 26, 2004)
Amazon.co.jp アン・タイラーの15作目は、おとぎ話のような書き出しで始まる。 「昔々あるところにひとりの女がいた。女はある日、違う姿に変わってしまった自分に気がついた」
悲しいかな、姿が変わったのは魔法のせいではなかった。『Back When We Were Grownups』の冒頭部分では、人生も後半にさしかかり、危機感に襲われた中年女性レベッカ・ダヴィッチの描写が続く。
53歳になるレベッカは、「ぽっちゃりして、やさしそうな、えくぼのある」いつも愛想のいい未亡人。両脇で結んだぱさぱさの金髪が、一対の短い翼みたいに頭からぴゅんと飛び出ている。大家族をまとめる女家長である彼女は、パーティーとケータリングの専門会社「オープン・アームズ」の経営者でもある。そのせいか、仕事場でも家庭でもつとめて陽気にふるまってきた。だが、一番下の養女の婚約記念ピクニックが惨めな結果に終わったとき、レベッカは不意にこれまでの人生を振り返り、愕然とするのだった。
「いったい、なんだって私はこんな風になってしまったんだろう? どうして? 本当の私はこんなじゃないのに、どうしてこんな人間になってしまったんだろう?」
そして当然、物語はこの疑問への答えを探し出し、失った昔の自分を取り戻そうとするレベッカの姿を追っていくことになる。さしあたって、「リー将軍が南軍の司令官になった理由」を研究していた大学時代からはじめるべきか? いや、もっと直入に、簡単によりを戻せそうな、バツイチの大学時代の恋人からいくべきか? …だが、とりあえずそんなことをやってみたところで、理想どおりの本当の自分は取り戻せそうにない。
けっきょく、レベッカは不思議に晴れやかな気持ちで、自分探しの旅を断念しようという境地に達する。その心情は、100歳の誕生日を迎えたポピーの言葉に如実に表れている。
「本当の人生なんてありはしない。死を迎えてはじめて、それまでが本当の人生だったってことがわかるのさ。たとえどんな人生だったとしても」
言い古された言葉かもしれない。だが、タイラーらしい繊細な筆致と多彩な登場人物が堪能できるこの小説世界には、実にぴたりとくる言葉だ。
本書には、「ポピー」のほかにも「ノーノー」「ビディー」「ミンフー」など、甘ったるい名前の人物が次々と登場する。へたをすると、嫌気がさした読者が逃げ出しかねないところだが、さすがはタイラー、そこらへんのさじ加減は絶妙だ。
ともかく、ベテラン作家タイラーの手慣れた筆さばきが間違いなく楽しめる小説だ。登場人物もクセ者ぞろいでいかにもタイラーらしい。「皆が、落ちぶれても昔の体面を保とうとする土地柄のボルチモア」といういかにもありがちな舞台設定さえ、タイラーの魔法にかかるとかえって新鮮に思えてくる。
本書は、人の心をつかんで離さない小説だ。レベッカの言葉を借りれば、まさに「生きていくってどういうことかをつづった記録」なのだ。おまけに、その「記録」の仕方が的を射ているからよけいにたまらない。
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