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2005年09月27日(火) ■ |
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アーサー・ランサム |
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アーサー・ランサムの『ツバメ号とアマゾン号』、お子様向けの訳なので、あまり期待はしておらず、しかも結構分厚い本だったので、今日の返却までに読み終えるかな?という感じだったのだが、意外にもあっという間に読めてしまった。
ここに登場する子どもたちの年頃に、この本を読んでいたなら、きっとすばらしく素敵だと思っただろう。親から離れて子どもだけで帆船を操縦するとか、キャンプをするとか、海賊ごっこをするとか・・・といっても、実は親の目の届く範囲でのことで、そうたいしたことはしてはいないのだが、それでもその年齢の子どもたちにとっては、大冒険だろう。大人でさえ、結構わくわくする。
また、ここに出てくる大人は、子どもたちの「ごっこ遊び」を馬鹿にしたり、けなしたりせず、本気でつきあってくれるというのもいい。それに、父親の言うことには絶対逆らわない、お兄さんやお姉さんには従うといった、今ではあまり見られない「家庭の躾」も、ほほえましい。私は、実際家族はこうあるべきではないかと思っている。こういうことがなくなってしまったから、子どもが荒れているのだと。
だからこの本は子供向けと思い込まず、今の大人も読んだほうがいい。すでに「古き良き」といった趣になっているが、古くても良いことは思い出すべきだ。いかにも子供向けの訳なので、ちょっと残念ではあるが、これは全12巻の 「アーサー・ランサム全集」 になっているので、全集で持っていても損はないものだろう。しかし出版元が岩波書店なので、書体が今の子どもには読みにくいかも。復刻版なのかもしれないが、せっかくの良書の全集なのだから、多くの子どもたちに読んでもらえるよう、新しく作り変えてもいいのでは?と思う。
ところで、また図書館に返却に行ったついでに、またまた凝りもせずに本を借りてきてしまった。その中のマーカス・セジウィックだが、以前から気になっていたものの、読む機会がなかった。今回手にとって解説を見ると、「YA界のスティーヴン・キング」とある。そもそも児童書でホラーというのはそんなにないから、「ホラー=スティーヴン・キング」みたいな感覚なんだろうが、ちょっと笑えたので、借りてきた。
しかし、例えば「YA界のロバート・マキャモン」なんて言ったって、対象とする読者には、わかってもらえないだろう。私自身、キングを好きなわけではないから、セジウィックがキングに似ていようがいまいが、どうでもいいんだけど。
〓〓〓 BOOK
◆読了した本
『ツバメ号とアマゾン号 アーサー・ランサム全集 (1)』/アーサー・ランサム (著), 岩田 欣三 (翻訳), 神宮 輝夫 (翻訳) 単行本: 487 p ; サイズ(cm): 23 出版社: 岩波書店 ; ISBN: 400115031X ; (1967/06) 出版社/著者からの内容紹介 ジョンたち4人きょうだいは、夏休みに帆船ツバメ号で湖の無人島探険に出かけた。島での作戦会議中に、突然ぴゅっと飛んできた緑の羽の矢。海賊船アマゾン号の挑戦だ。 ※画像は原書 『Swallows and Amazons』/Arthur Ransome (著)
◆図書館貸し出し
『Witch Hill―魔女が丘』/マーカス・セジウィック (著), Marcus Sedgwick (原著), 唐沢 則幸 (翻訳) 単行本: 253 p ; サイズ(cm): 19 x 13 出版社: 理論社 ; ISBN: 465207722X ; (2002/12) 内容(「MARC」データベースより) 火事で家を追われた少年は、クラウンヒルの村で炎と老婆の悪夢におびえる。村に埋もれた遺跡、突然死に隠された秘密。ヴァルプルギスの夜、すべての謎がひとつになり、伝説はよみがえる…。息づまるサスペンスホラー。
『ザ・ダークホース』/マーカス・セジウィック (著), Marcus Sedgwick (原著), 唐沢 則幸 (翻訳) 単行本: 263 p ; サイズ(cm): 19 x 13 出版社: 理論社 ; ISBN: 4652077300 ; (2003/07) 内容(「MARC」データベースより) 若きリーダーひきいる部族に襲いかかる殺しの集団「漆黒の馬」とは何か? 部族の一員となった「オオカミの娘」の秘密とは? 古き北欧の部族抗争をリアルにドラマ化する。
『夜中に犬に起こった奇妙な事件』/マーク・ハッドン (著), Mark Haddon (原著), 小尾 芙佐 (翻訳) 単行本: 373 p ; サイズ(cm): 19 x 13 出版社: 早川書房 ; ISBN: 4152500093 ; (2003/06) 内容(「MARC」データベースより) 数学や物理では天才なのに、他人とうまくつきあえない自閉症の少年クリストファー。ある夜、近所の飼い犬が殺された。彼は探偵となって犯人を捜しながら、事細かに記録を取る。やがて驚くべき事実が明らかになり…。
Publishers Weekly この啓示的な小説の語り手は、15歳の自閉症の少年 Christopher Boone だ。うめくことと頭の中で数学の問題を解くことで気を落ちつけ、赤いものは食べるが黄色いものと茶色いものは食べず、触られると叫ぶ。変わっていると思うかもしれないが、彼にしてみれば他の人たちこそ謎だ。というのも、ほとんどの人が本能的に頭の中で他人の考えていることを推測するが、彼にはその能力がないからだ。
隣家のプードルが何者かに殺され、その濡れ衣を着せられた Christopher は、お気に入りのキャラクターのひとりシャーロック・ホームズをまねて犯人を探そうと決意する。事件がやがて両親の離婚の秘密、さらには自分の居場所探しへとつながっていくなか、彼は推理によって、自分にとっては綴じられたままの本に等しい世間の感情的な複雑さを切り抜けていかざるをえなくなる。
これが処女作となる Haddon の手の中で、Christopher は魅力的なケーススタディであり、何より、思いやりのある少年である。典型的なタイプのように完全に心を閉ざしているのではなく、普通の人間のように周囲の環境を振るい分けることができないために、感情の波にあまりに無防備に圧倒されてしまうのだ。
Christopher が入り乱れる刺激を理解する方法はただ1つ、抽象的なパターンに当てはめることだ(「黄色い車が4台並んだ日は黒い日だ。誰にも口をきかないで読みかけの本の上に座って何も食べないで危ないことをしない日だ」)。想像力を欠く観察が、一種詩的な感性と辛辣な人物描写に拍車をかける。Christopher は「これは笑える本じゃない。ぼくはジョークは言えない。ジョークはわからないから」と言い張るが、この小説は感動的で皮肉なユーモアにあふれている。その結果、独特の語り口が胸に迫る、目を見張るような作品になっている。 Copyright 2003 Reed Business Information, Inc.
『川べに恋風』/ウィリアム・ホーウッド (著), パトリック・ベンソン (著), William Horwood (原著), Patrick Benson (原著), 岡本 浜江 (翻訳) 単行本: 362 p ; サイズ(cm): 21 x 15 出版社: 講談社 ; ISBN: 406209052X ; (1998/03) 出版社/著者からの内容紹介 「川べにそよ風」「川べにこがらし」の続編。 とつぜん恋に落ちたヒキガエルさんを心配そうに見守る川べのゆかいな仲間たちと、ほろりと悲しい恋の結末。ケネス=グレアムの世界を語り継ぐ動物ファンタジー。
『ドラゴンランス 魂の戦争 第一部 墜ちた太陽の竜(上)』/マーガレット・ワイス (著), トレイシー・ヒックマン (著), 安田 均 (翻訳) 単行本: 287 p ; サイズ(cm): 21 出版社: エンターブレイン ; ISBN: 4757722354 ; 第1部〔上〕 巻 (2005/03/28) 出版社 / 著者からの内容紹介 救世主か、悪魔か? 現実か、幻か? 呪われた谷で嵐のなか突如現われた謎の少女ミーナの力で、巨竜勢に分割支配された世界が今、大戦乱へと動き始める。角川60周年記念・世界5千万部ファンタジー大作シリーズ!
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