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2005年09月17日(土)
奇天烈さを追求

昨日、デイヴィッド・ファーランドの『大地の王の再来』はもうダメだと書いたが、無理やり読み進むうちに、この奇天烈さがどこまで行くのか確かめたくなった。主人公の王子グボーン(またどうしてこんな名前なんだろう?)の敵となる、というか全世界の敵、大王アーテンの描写なんて、そのつもりで読むと結構笑える。

やはり昨日も書いたが、「賦与」という、さまざまな能力を他人からもらう技で、大王アーテンは何千人分もの体力、筋力、持久力、声、そして魅力の数々を身につけている。そのため、その姿を見ただけで、あるいは、声を聞いただけで、敵にも関わらずとりこになってしまうといった具合。もはや戦う必要はないというわけだ。ここまでくると、もう馬鹿らしくて笑える。

それほどまでに強力な力を持つ大王に、グボーン王子(どうもカッコ悪い!)は、どうやって立ち向かうのか?魅力も倍増していれば、逆に好色さも倍増しているというアーテン大王に捕らえられた、王女の運命やいかに・・・で、どうなるのよ?と思っていると、いきなり違う場面になってしまって、続きは乞ご期待!というわけだ。

はっきり言って、読み進めるのもバカバカしいのだが、こうなったら、どこまでバカバカしいのか、見極めてやろうという気になる。読了したときに、満足感どころか、あーあ、こんなもの読んじゃったよ!という気持ちになることは必至だとは思うが。

そのアーテン大王、とにかく数百人分の<魅力>を持っているということで、絶世のハンサムらしい。イラストで見ると、アーテンでもグボーン(書くたびに気持ちが沈む)でも、似たようなアゴの尖った細面の顔で、この人に話しかけられても、私は全然平気だなと思うのだが、こういう細面のイラストって、好きな人は好きだよねって感じ。男でも女でも同じようなか細いスタイルで、胸やお尻はどこにあるの?といった絵だ。

私は、昔のSF小説に描かれていたような(例えば 『火星のプリンセス』 とか)グラマラスな絵のほうが好きなので、こういうか細いシルエットの絵には、全く魅力を感じない。そこへもってきて、顔を見ただけで、声を聞いただけでとりこになってしまうと言われてもな・・・。


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