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2005年08月30日(火)
『プラダを着た悪魔』で泣く

Lauren Weisberger の 『The Devil Wears Prada』 をやっと読了したのだが、不覚にも泣いてしまった。こんな本で、まさか泣くとは思ってもいなかったのだが、自分の経験に近いエピソードがあったため、感極まってしまったのかも。そのエピソードは、自分が経験したこととは全然内容が違うのだが、似たようなシチュエーションに泣けてしまったのだ。

それにしてもこれを読んでいると、「いい人」は会社では出世できないんだなと思う。上司の理不尽な命令も、厳しい社会では致し方ないことなのかもしれないし、そんな理不尽さがまかり通ってしまう世の中でもあるわけだから、人に同情したり、正義感に燃えていたりしたら、絶対に出世できないだろう。生半可な常識なども通用しない。自分が一生懸命にがんばれば何とかなるというレベルの話でもない。

会社勤めの経験がある人で、これを読んだ多くの人が、「そうそう!」と頷いているんではないだろうか。そういう私にも、この本に書いてあるような経験がひとつやふたつではない。世間には、信じられない「バカ」上司というのがいるものなのだ。何でこんな人が偉い顔をしてるんだろう?と思うが、そういう人だから出世しているのだ。いちいちあげたらきりがないので、ここに書くのはやめておくけれど、そりゃもう、聞くも涙、語るも涙の話ばかりだ。

この話では、最後は主人公アンドレアが、鬼上司ミランダに悪態をついてクビになるのだが、それでもアンドレアの人生は良い方向に向かっていく。実際、そういうラッキーな人は稀だろうと思う。話として、ハッピーエンドにならなければむごい!とは思うが、そんなに甘くはないのが実際の人生だ。

毎日、「バカ」上司にムカついている人は、この本を読めば少しは発散できるかも?いや、発散まではできないが、同病相哀れむというか、「そうそう、そうなのよ!」と思うだけで、多少は慰めになるかもしれない。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『The Devil Wears Prada』/Lauren Weisberger (著)
ペーパーバック: 320 p ; 出版社: Broadway Books ; ISBN: 0767914767 ; (2004/04/01)
Book Description
歴史に並みいる上司にしたくない上司のなかでも最低最悪の上司を描いた、愉快でおしゃれな小説。

大学出たてのいなか娘アンドレア・サックスは、「百万人の女の子が羨望のまなざしを贈る」職をものにした。ランウェイ誌の編集者として大成功を収めた、かの有名なミランダ・プリーストリーのアシスタントに採用されたのだ。

アンドレアが勤務することになった編集部は、どこを向いても「プラダ!」「アルマーニ!」「ヴェルサーチ!」という叫び声が飛び交い、信じられないほどスレンダーで、胸がきゅんとなるほどおしゃれな女性たちと、長年の熱心なジム通いの成果を見せつける、細かいリブ編みのタートルネックセーターとタイトな革パンツ姿のさっそうとした男性たちであふれかえっていた。ところが、その流行の最先端を行く洗練された編集部員たちのだれもが、ミランダの一声でいともたやすく、おびえてべそをかく子どものようになってしまう。

いわゆる「鬼上司」に対するぐちを、思いきり笑える魅力的な物語にしたてあげたのが『The Devil Wears Prada』だ。そこでは、新聞のゴシップ記事や、コスモポリタン誌の愛読者が集まるトレンディーなカクテルパーティーでの噂話でわずかにかいま見られるにすぎない、上流階級の人々の暗く悪魔的な裏の顔が、すがすがしいほど無邪気で機転のきいたアンドレアの語り口で暴露されていく。

まだ店頭に並んでいない「ハリー・ポッター」の最新作をパリに住むミランダの子どもに自家用機で届けたり、いつかミランダがちらりと見かけて惚れこんだという年代ものの洋服だんすを売る、名もない骨董品屋を捜したり、舌が焼けるほど熱い、好みの温度ぴったりで、ミランダにカフェラテを出さなければならなかったり、アンドレアには毎日が試練の連続だった。それも日中にとどまらず、電話であれをしろ、これをしろとどなりまくられて、仕事が深夜におよぶこともしばしば。そんな仕打ちに耐えているのも、目当ての雑誌社でいい仕事にありつくため、ミランダに推薦状を書いてもらうというご褒美を期待しているからだ。

しかし、最初はちょっと受け入れがたいという程度だった要求が、どう考えても常軌を逸したものにエスカレートするにつれ、アンドレアは気づきはじめる。百万人の女の子が羨望のまなざしを贈るその仕事は、いつかほんとうに私を殺すかもしれない。いえ、たとえ命は助かっても、魂を売りわたすに足る仕事なのかどうか、もう一度考え直さなければ、と。


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