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2004年08月07日(土) ■ |
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ホラー好き宣言 |
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マキャモンの『ナイト・ボート』を読み終えた。世にもおぞましいナチスのゾンビが、次々に人を襲って食いちぎるという話なのだが、ちょっと前までホラーは苦手で、『吸血鬼ドラキュラ』くらいでキャーキャー言っていた私が、最近は、全然平気になってしまった。これはマキャモンのせいなのか?
というか、ホラーは邪悪なものが主役で、絶対に邪悪なものが勝ち、善なる者たちは、ただ逃げ惑うだけという固定観念があったのが、マキャモンを読んでから、そうではないことに気が付いたのだ。だから、マキャモン以外のホラーはダメかもしれない。マキャモンだったら、どれほど怖い思いをしても、必ず善が報われるというお約束があるから、きっと平気で読めるのだと思う。
にしても、このあたりの作品は、まさにホラーだと思うのだけど、それでもスティーヴン・キングなどとは違って、ただ怖いだけというのとは違う何かがある。キングが悪いと言ってるわけではないのだが、ホラー作家というだけで、並べて語るのは違うんじゃないかなと。
マキャモンは、やはりちゃんとした作家だけに、文章も上手いし、今読んでいる『ファウンテン・ソサエティ』を書いた、映画監督のウェス・クレイヴンなんかとは全然違う。クレイヴンは、「究極のエンターテインメント!」とあったので、かなり期待していたのだが、このままだと期待はずれに終わるかも。
初めて小説を書いたら、勢い込んでこういう書き方になってしまうんだろうななどと思ってしまうような、そんな文章。他人事ながら、読んでるほうが恥ずかしくなってくる。べつに恥ずかしいことが書いてあるわけではないんだけれど、なんか照れちゃう文章なのだ。こういう言い回しって、なんか恥ずかしいよって感じ。だから、スムーズに文章に入り込めない。
そういうことを考えると、シドニー・シェルダンなんかは、やっぱり上手いんだなあ、エンターテインメントの職人なんだなと思える。シェルダンが、特に文章が上手いとは思わないけれど、一気に読ませる技は、評価するべきではないかと。
〓〓〓 BOOK
◆読了した本
『ナイト・ボート』/ロバート・R・マキャモン (著), 嶋田 洋一 (翻訳) 文庫: 397 p ; 出版社: 角川書店 ; ISBN: 4042661017 ; (1993/07) 内容(「BOOK」データベースより) ブードゥーの祈りが聞こえるカリブ海。海の底の墓場から「夜の船」がよみがえる。それはかつて闘いに敗れたUボートだ。中からは無気味な物音がもれている。なにものかが潜んでいる。生物なのか亡霊なのか。楽園は無気味な気配につつまれはじめた…。
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