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2004年08月04日(水)
カリブ海の恐怖

現在、マキャモンの『ナイト・ボート』を読んでいる。今まで読んだマキャモン作品は、純粋にホラーとは言えない作品だったが、これはマキャモンの長編3作目で、「ホラー作家」としての名を上げたものだ。文学としてよりも、エンターテインメントとして、かなり面白いと思う。

でも恐怖というのは、屁理屈をつけると、いくらでもつけられてしまうものだなと思った。この話は、深い海底から突如浮き上がってきた、第二次大戦時のドイツのUボート(潜水艦)に、亡霊だかなんだかわからないものがとりついているという話なのだが、場所もカリブ海の「魔のトライアングル」である。ブードゥーの影響が濃い場所だ。蘇った「カリブの海賊」といったような趣もある。

だけど、何やら得体の知れない恐ろしさがあるというのに、潜水艦の調査をする時には、なぜか二人くらいで内緒でやる。怖いんだったら、大勢の公衆の面前で、隅々までさらけだすくらいの明かりをつけて、お化けも遠慮して出てこれないような状況で調査すればいいのになあと思う。

大体が、ランタンひとつとか、そのくらいの光源しかなく、他には誰も知るものもなく・・・といった状況だ。そこでお化けに襲われても、誰も助けようがない。そういうことをおおっぴらにやらないところに、ホラーのホラーたる所以があるのか?みたいな。。。

公衆の面前でおおっぴらに、というと、キャサリン・コールターのFBIものを思い出すが、あれはお化けではなくて人間の手によるイリュージョンだった。作家もいろいろ考えてるんだな。(^^;

というわけで、『ナイト・ボート』は、後半どうなるんでしょう?お化けはお化けのままなんだろうか?それとも、何か科学的な説明がつくんだろうか?非常に楽しみである。

カリブ海と言えば、私はバハマに行ったことがあるが、太陽が燦々とふりそそぐ明るい景色(今まで見た中で最高に美しい景色)のイメージとは裏腹に、現地の人たちの目は、とても暗い。バハマの人口の90%が黒人なのだが、もともとの原住民はヨーロッパ人に滅ぼされ、今いる人たちの祖先は、みなアフリカから連れてこられた奴隷だ。そんな歴史が、今でも彼らの目に宿っているかのようだ。

そんな目を思い出しながら、マキャモンの『ナイト・ボート』を読むと、とても怖い。でも、お化けになっているのはドイツ人なわけだから、彼らの目とは全然関係がないんだけど。(^^;


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