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2004年07月11日(日)
『魔女は夜ささやく』

◆Amazonから悲報

誠に申し訳ございませんがご注文いただいた以下の商品がまだ確保できておりません。

Robert R. McCammon (著) "Usher's Passing" [マスマーケット]
Item delayed 4-6 weeks.

うっそー!マジで?原書でも入手困難だなんて、信じられないっ!
これは日数がかかるというので、4月に「ハリポタ5」のPBと一緒にオーダーしておいたのだが、「ハリポタ」のほうは、すでに発売になっているのに、まだ発送されないので、何をしてるんだ?といぶかっていたところ。なんだ、マキャモンの本が入手できないのか!遅れると書いてあっても、こういう場合はだいたい、またメールが来て、入手できないと言うんだよね。ちょっと前に、文庫の下巻だけ入手したけれど、下巻だけではねえ・・・。がっくり。


ところで現在、邦訳出版以来ずっと貸し出し中で、なかなか図書館でも借りられなかった、マキャモンの『魔女は夜ささやく』を読んでいるが、これは今までのマキャモン作品とだいぶ違うかな、というのが今のところの感想。マキャモンの作品として、これを最初に読んだ人には、「マキャモンはいいよ」と言っても通じないだろうなという感じ。

かといって、けしてこれが良くないというわけではなく(個人的には十分面白いと思っている)、これまでのマキャモン作品を踏まえた上で、この作品が成り立っていると考えれば、自然な流れと思えるのだが、最初にこれを読んでしまうと、ちょっと引くかな?とも思う。

2段組でかなりびっしり詰まっている感じだし、登場人物も多くて、一気にいかないと、なかなか進んでいかず、まだ上巻半ばなのだが、マキャモン特有の「善の側の人間」と「邪悪なもの」の存在は、はっきりと見える。それが今回は、魔女裁判という社会的な状況を仲介として、どんな戦いを繰り広げていくのか、非常に興味深い。

邪悪なものは、以前にも増して邪悪になっているが、善の側の人間は、以前の作品と変わらず、そこでほっと一息つける存在として描かれている。この存在が、マキャモン作品を単なるホラーとして片付けられない重要な要素なのだと私はとらえている。

舞台はアメリカの開拓時代。魔女裁判などが行われていた時代で、疫病の流行などもあり、これまで描かれていた現代の舞台とは大きく異なっているため、ちょっと異質にも感じられるが、個人的には、マキャモンがこの時代に目をつけるであろうことは、なんとなく予想していたことでもあるので、特に違和感があるわけでもない。

魔女裁判の時代の話としては、前にセリア・リーズの『Wirch Child』を読んだので、そのあたりの陰惨で理不尽な状況は、すでに免疫としてある。また、ホーソーンの『緋文字』もその類。これらを読んでいるのと読んでいないのとでは、マキャモンの作品に対しても、感じ方が違ったかもしれない。

いずれにしてもこの時代の魔女がらみの話は、だいたい暗い話が多いが、ここでもマキャモンは、真の邪悪さは、「邪悪なもの」として描かれている「そのもの」ではなく、普通の人間の中に潜んでいることを暴き出していると感じる。善人面をして、内に悪意を秘めている人間の、なんとおぞましいことか!


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