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2004年06月23日(水) ■ |
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総合英語(8)&アメリカ南部映画祭(最終回) |
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暑かった。いつものように早稲田まで歩いていったら汗でびっしょりになり、教室で冷えて、映画を観終わる頃にはすっかり風邪を引いてしまったようだ。たまたま体調不良時期に入ったせいだろうが、この先、着替えでも持っていかないと、対応できないかも。
<今日のポイント>
単語を辞書で引いた時には、
発音記号もしっかり覚える!
発音記号を覚えていなければ、発音が分からないわけだから、これは当たり前のことのようだが、意外に発音記号を覚えていない人も多い。辞書を引いた時には、意味だけではなく、その機会に発音も一緒に覚えようというわけ。この授業では、発音は非常にシビア。
話は違うが、NHKのラジオ講座「原書で読む世界の名作」で、今回イーヴリン・ウォーのテキストを朗読しているのは、サイモン・キャローというイギリス人の俳優。クイーンズ・イングリッシュの特徴というのはいろいろあるが、特に耳に付くのが、「エ」を「ア」と発音するところ。
例えば say は「セイ」ではなく「サイ」、late は「レイト」ではなく「ライト」、wait は「ウェイト」ではなく「ワイト」といった具合。気にしているから余計に耳についてしまうのだろうが、毎回そこで引っかかる。イギリス人だからといって、全員がそうではないと思うのだが、この人は特に顕著にそれが分かる発音だ。
◆アメリカ南部映画祭(最終回)
『O Brother, Where Art Thou?』 (邦題『オー・ブラザー!』 2000年) 監督:ジョエル・コーエン 出演:ジョージ・クルーニー、ジョン・タトゥーロ、ティム・ブレイク・ネルソン、クリス・トマス・キング、ホリー・ハンター
1930年代、ミシシッピー州の片田舎。3人の囚人が、宝の山を求めて脱獄を敢行する。しかし、それからが波乱万丈。成り行きで、「ずぶ濡れボーイズ」として歌手デビューし、一躍人気者になるが、しょせんは追われる身だ。この映画で、アメリカン・ルーツ・ミュージックの一大ブームが起きた。
Amazon.co.jp 脱獄した3人の囚人(ジョージ・クルーニー、ジョン・タトゥーロ、ティム・ブレイク・ネルソン)が、かつて隠して置いた120万ドルを求めて旅に出る。しかしその道中で彼らが遭遇する、さまざまなけったいな出来事。果たして彼らは自分たちのお宝にたどり着けるのか?
ジョエル&イーサン・コーエン兄弟による、1930年代アメリカ南部を舞台に繰り広げられるロードムービーの快作。彼らならではのひねったユーモアが満載で、また今回は30年代前後のカントリー・ミュージックが劇中存分にフィーチュアされており、そちらの方でもにぎやかさが増幅している。デジタルを用いて、どこか退色したような色彩を描出した撮影監督ロジャー・ディーケンスの手腕もお見事で、懐かしくも新しいといった作品テイストが、よりあらわなものとなっている。(的田也寸志)
内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより) コーエン兄弟による、ホメロスの『オデュッセイア』を原作とした痛快コメディ。脱獄した3人組が探しているのは、昔エヴェレットが隠し置いた現金120万ドル。しかし、隠し場所はその後のダム建設で川底に沈んでしまっていた…。
※ジョージ・クルーニーのレット・バトラーばりの伊達男がなかなかだった。ジョージ・クルーニーといえば、短髪の「バットマン」くらいしか観ていないので(シュワちゃんがミスター・フリーズをやった時)、この映画でまた新たな一面が見えた気がした。まずは脱獄した3人組というのが、「三バカ大将」みたいだ。その中の親分肌のキャラがクルーニーというわけだから、「バットマン」からは全然想像もしていなかったクルーニーが見れた。
映画の中でクルーニーが歌っている「I Am a Man of Constant Sorrow」という歌は、なんと、ロッド・スチュワートも歌っている。もちろん雰囲気は全く違う。映画のほうが個人的には好みだが、これは残念ながらクルーニーが歌っているのではなく、吹き替え。
それと、「Big Rock Candy Mountains」という曲のタイトルは、コーマック・マッカーシーの『すべての美しい馬』に出てくる。翻訳者の黒原敏行氏が、マッカーシーに「Big Rock Candy Mountains」とは何のことか?と質問しているのだが、マッカーシーから来た答えがこちら。
Rock candy 2type of hard candy. Song of this title also has lemonade springs and cigarette trees. A well known tramp or hobo song from the 1930's.
原文は、
"... I dont know. Pretty nice about it if he does. I'd say so. He made that country sound like the Big Rock Candy Mountains. Said there was lakes and runnin water and grass to the stirrups. I cant picture country like that ..."
黒原氏はこの部分を
「・・・さあな。もしそうならご親切なことだ。 まったくだ。 あの親父は砂糖菓子の山みたいにいってたな。湖がたくさんあって川が流れてて草原があるそうだ。今まで見てきた景色からは想像できないがな・・・」
と訳している。前後の文章から推測すると、特に歌のことを言っているわけでもなさそうだが、「Big Rock Candy Mountains」という曲は、アメリカ人なら誰でも知っているような有名な曲らしいので、その歌の歌詞のような風景という意味にもとれるだろう。歌詞には、マッカーシーの答えの中に書いてある lemonade springs とか cigarette trees なども出てくる。黒原氏がこの曲を知っていたら、また違った訳になったかもしれないと思う。この映画の中には、他にもいろいろと隠れた話題がたくさんありそうだ。
余談だが、私は『すべての美しい馬』の原書を持っていないので、この原文の部分は、Amazon.comの全文検索で出した。これはかなり便利。全文検索ができるようになったのは知っていたが、使ったのは初めて。
というわけで、今日で第一回「アメリカ南部映画祭」は終了。秋に第二回がある予定だそうだが、自分ではなかなか観ることのない映画が観れて、とても楽しかった。終了後、青山先生と村田先生を囲んで、打ち上げ。村田先生には、フラナリー・オコナーのことや、ジェイン・オースティンのことなども聞けて、これもまた勉強になった。オコナーはぜひ原書で!と言われ、ちょっと頭が痛いかも・・・。(^^;
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