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2004年05月13日(木) ■ |
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文壇バー「風紋」 |
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昨日は、どん底で田中さんの誕生パーティがあった(還暦!)。ケーキに立てられた60本のロウソクは壮観だった。疲れていたから、酔いつぶれるんじゃないかと心配だったが、なんとか最後まで持ちこたえた。おかげで今日は、体の節々が痛いし、二日酔いだし、人間として全く使い物にならなかった。
主役の田中さんが、文壇バー「風紋」に行きたいと言うので、久々に行ってみたが、文壇バーと言われている割に、私は一度も文壇の人に会ったことがない。新元良一さんが、先日帰国した時に「風紋」に行ったと言っていたので、「この間、新元さんがいらしたでしょう?」と聞いたら、「ああ、新潮社の人と一緒にいらした方ですね」で、話が終わってしまうくらいなのだ。静かで落ち着いた大人の雰囲気の、とてもいいバーだが、「文壇バー」と言われる所以が、まだよくわからない。
そもそも田中さんは三島由紀夫の友人で、わざわざ「風紋」に行かなくても、そのあたりの話題には事欠かないのだが、というか、実はどん底にも文壇の人は昔からたくさん来ていて、あそこも立派な「文壇バー」と言えるだろう。田中さんによれば、銀座界隈で遊んでいた文壇人たちが、バブル景気になって銀座に嫌気がさし、新宿方面に流れてきたとのこと。今をときめく誰々は、どこどこの店でバイトしていたとか、そんな話もよく聞く。実際、新宿三丁目には、「文壇バー」と呼べる店はいくらでもある。
ただ、私は日本文学に疎いので、その場に有名な作家がいても、ほとんど気が付かないでいるらしい。夏目漱石とか、芥川龍之介くらいに、教科書にも載っていて、全国的に顔が知られているならともかく、現代の作家の顔など、ほとんど知らない。そして、その人が自ら名乗らない限り、誰もそんなことは教えてくれない。とある強面の作家に(芥川賞を蹴ったことで有名)、知らなかったこととはいえ、「ヤがつくご職業ですか?」と聞いてしまったこともある。本当は、顔に似合わず、優しくていい人だったのだけど。
でも、文壇関係の人が来るとか来ないとかはともかく、こういった場所には、日本文学に興味を持っている人はたくさんいるのだが、外国文学について語れる人は、ほとんどいない。そこがちょっと不満で、私が「文壇バー」に特別魅力を感じていない所以でもある。自分の好きな作家や本について話ができるのなら、なにも文壇バーでなくていいわけだし。
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