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2003年06月26日(木)
原文で味わう新しいアメリカの短編小説(9)

「原文で味わう新しいアメリカの短編小説」講座第九回
テキスト:「Egg-Face」/Mary Yukari Waters (from Zoetrope: All-Story 2001)

<PHOTO>

メアリ・ユカリ・ウォーターズはアイルランド系アメリカ人と日本人のハーフで、生まれたのは日本。9歳でアメリカに渡り、現在ロサンゼルス在住。

「日系人の作家が書く話は、どんなに辛い話でも、どこかハートウォーミングである」─青山氏曰く

今回の作品の舞台は日本の京都あたりで、谷崎潤一郎の小説か、小津安二郎の映画を思い起こさせるが、不思議な日本人続出で、日本人が読むと独特の違和感がある。ウォーターズは9歳まで日本にいたのだから日本の文化を知らないわけではないと思うが、わざととぼけているのかどうか、日本の文化を面白がって遊んでいる感じ。それが奇妙なおかしさを生み、笑いを誘う。

フランシス・コッポラ編集の雑誌『Zoetrope』に「Egg-Face」が掲載され、今年5月にデビュー作『The Laws of Evening』を出版。『Zoetrope』にはその後、「Mirror Studies」も掲載される。

『Zoetrope』に掲載された作品は全部ウェブ上で読めます。
日本語版『ゾエトロープbiz』
日本語版『ゾエトロープpop』


◆次回の課題
「The Leather Man」/E.L.Doctorow (From The Paris Review 1984)


〓〓〓 BOOK

◆BOOK・OFF(明治通り店)

『指輪物語・追補編』/J.R.R.トールキン \1100
内容(「MARC」データベースより)
恐ろしい闇の力を秘める黄金の指輪をめぐり、小さいホビット族や魔法使い、妖精族たちの果てしない冒険と遍歴が始まる。数々の出会いと別れ、愛と裏切り、哀切な死-。冒険とロマンへの限りない夢を満載した今世紀ファンタジーの最高傑作。

『ストリップ・ティーズ』(上)/カール・ハイアセン \100
内容(「BOOK」データベースより)
ある晩、フロリダのストリップ酒場で、ダンサーのエリンをめぐって、ちょっとした騒ぎが起きた。よくある酔客どうしの喧嘩だが、一つだけ普通でないことがあった。加害者が、なんと下院議員のディルベックだったのだ。エリンに惚れている常連客キリアンは、酒場での醜態をネタに議員を脅迫し、娘の監護権をめぐって前夫と裁判を続けているエリンに有利な判決が下りるように圧力をかけさせる。ところが、キリアンが何者かに殺され、エリンの身にも危険が…。

『ストリップ・ティーズ』(下)/カール・ハイアセン \100
内容(「BOOK」データベースより)
ガルシア部長刑事や酒場の用心棒シャドの力を借りて、なんとか窮地を切り抜けようとするエリン。そこへ、悪徳弁護士モルディカイやエリンの別れた夫ダレル、フロリダの砂糖産業を牛耳るロホー族やFBIなどが入り乱れ、さらにディルベックがエリンに一目惚れしてしまうというおまけまでついて、事態は思わぬ方向に進展していく。はたして、エリンと娘の運命は…。観光地フロリダを舞台に、ふとしたきっかけから巻き起こる大騒動を軽快なタッチで描く、傑作ユーモア・ミステリー。


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