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2006年03月13日(月) あたしの好きな人はバイで、彼の好きな男の子はあたしを愛してて



あたしの好きな人はバイです。
アメリカ人で、ひどく優しくて、繊細な人です。
いつも下を向いていて、進歩がない人です。
暗い過去を背負ってて、それでもなかなか人には感情を見せなくて。
どうしようもなく、あたしはあの人を愛してるんだと思った。

あの人の好きな人は、あの人がホストしている日本人留学生で。
あたしたち3人は同じ学校で、親友で。
直樹はすごく優しい人です。
それで太陽みたいに明るくて、馬鹿だけど、いつも上を見てて。
直樹はあの人が直樹のことを好きなのを知ってる。
あの人はとうとう彼に告白したから。
そうして彼はどうしようもなく、あたしを愛してる。

こんなのは正しくない。

あの人が直樹を愛してることがだめなんじゃない。
直樹があたしを愛してることがだめなんじゃない。
あたしがあの人を愛してることがだめなんじゃない。

だけどこんなのは正しくない。

あたしのあの人への愛情は、愛ではなくて同情なんだろう。
直樹は彼を愛さない、絶対に。

直樹の事は好きだけど、あたしはあの人みたいに直樹を愛せない。
直樹はそれでいいと言ったけど。
俺がそれ以上に唯のこと好きだから、大丈夫だって言ったけど

このごろ、3人で結婚できたらいいって何度も思う。

何もだめなんじゃない、何も間違ってない。
だけどこんなのはだめだよ。
何度もそう言ったあたしに、もう聞きたくないって直樹は言った。
あたしはあの人のことだけ考えてるって。
俺は唯の事が好きなのに、そのことには触れないで、逆に拒否してるって。

わからないの。

あたしは全てを無しにしたいのかもしれない。
あの人が直樹を好きなことも、直樹があたしを好きなことも。
何もかもなかったことにしてまた3人で一緒にいたい。

直樹があたしのことを好きだって言うたびに、苦しくなる。

あたしはあの人のことも直樹のこともすごくすごく愛してる。
だからこのままでいたい。
あたしから離れていかないで。


直樹に何度も好きだといわれるたび、涙があふれて止まらないのはなぜだろう。




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