小林賢太郎プロデュース公演「Sweet7」@下北沢本多劇場。
ラーメンズの小林賢太郎氏のプロデュース公演。去年の「good day house」に引き続き、第二作です。 「gdh」が正直あんまり好みではなかったので、少し悩みましたが、結局行くことに。 休演日明けのこの日に見に行くことにしました。
以下ネタバレです。まだ見てない人は読まないで下さい。見た人だけ反転させてどうぞ。
-----
事前に情報を何も仕入れていかなかった(お台場で片桐さんが口走ったことを聞いたくらい)ので、本当に新鮮な気持ちで観劇。 チラシがめちゃくちゃ可愛い!! ケーキの上に、登場人物を模ったマジパンがのってるんですけど、これが可愛い〜!! 印刷の具合もすごくいいの。 同デザインのポスターを買いそうになりましたが、雨だったので思い止まりました。でも欲しかった… Tシャツの販売もあって、そのパッケージがチラシに載ってるケーキミックスの箱になってるんです。これも可愛い〜。ただTシャツは着ないので買いませんが(高かったしな、ちょっと…)。
物語は、商店街にあるケーキ屋さん「七日堂」が、店の経営を立て直すために休業にして作戦を練る7日間のお話。 全体を7日にわけて、それぞれの日の厨房が舞台となるワンシチュエーションのお芝居。 小林氏は、最初と最後にお店に出入りする牛乳屋さんとして登場します。 やっぱり小林氏が出ないと皆納得しないからか?(笑)いや、最後キーワードを言う重要な役なんですけどもさ。 片桐氏は出づっぱり。「七日堂」にはパティシエが3人いる(+新人が1人入る)んですが、そのうちのダメなパティシエ二人組のうちの一人。後の登場人物は、お店のオーナー(女性)・ライバル店の有名パティシエ・借金取り・新人パティシエのお母さん。 ストーリーの雰囲気は、誤解を恐れずに言えば「王様のレストラン」と「西洋洋菓子骨董店アンティーク」を足して二で割ったみたいな感じですかね。誤解を恐れずに言えばね(笑)。今やってる「ショコラ」(昼ドラ)は私見てないんですけどこんな感じなのか?
で、感想ですけども。 えーとね。演劇としては、カタチはすごくちゃんと出来てると思うんです。まだ二作目だなんて思えないくらい。 前回の「gdh」に比べたらすごく見やすくなってるし…。すごい進歩のスピード。 二時間半ていう長い公演時間も、私はそれほど気にならなかったし、最後までちゃんと楽しめたんですけど。 …でもやっぱり、なんというか、彼の作るコントには遠く及ばないというか… 比べることも間違ってるのかもしれませんが、彼のコントを見たときに受ける感動みたいなもの、そういうのは無かったですね。 そもそも、このお芝居、何を言いたいのかよく分からなかったんです。 ライバル店が途中で潰れてしまって、目標が消えちゃうし(コンビニは昨日今日出来たんじゃなくて前からあるわけだし)。 結局潰れた店の後に、瀬込くんのお店が出来て、お芝居が始まる前と終わった後と変わったことが何もない。 片桐氏がケーキを作ることになったけど、ウェディングケーキの注文が今後も来るという保証もない。 で、彼の才能も、カタチとして再現出来なければなんの意味もないわけで… 別にお店のメンバーも元々仲違いしてるように(それほど)見えなかったし、この一週間があってよかった、というのが見えてこないのです。
コントを作るとき、彼は「自分の頭の中にある何かを表現するときに、コントという手法を取る」というお話をよくしてますが、どうもことお芝居に関しては、そういう意気込みが見えてこない… 「何を表現したいのか」より「何を使って表現するのか」が先に立っちゃってて。言い換えれば、題材(喜劇+ケーキ)は分かるけどテーマが伝わってこない。 結局このお芝居で彼が言いたいのは何だったのか? どーもそれは、「小林賢太郎にとって演劇作品を作ることは、piece of cakeである」ということだけ、という気がするんですよね。
彼がラーメンズとして打ってる単独公演は、さまざまな色が詰め合わせになってるプチフール。 プロデュース公演は、大きなホールケーキ。 彼がホールケーキを難なく作れることはもちろんすごいことだと思うんですけど、個人的には「美味しいプチフールを作れること」の方がすごいと思うんですよね。そして彼が作るなら、絶対プチフールの方が、美味しい。 (悲しいことに、市場価値はホールケーキの方が上かもしんない…)
ただ、片桐氏はかなり輝いてました(笑)。コントじゃなくあーゆー人が日常に存在する空間ってすごいと思うけど(笑)。 周りの登場人物が、片桐氏を軽くあしらってる感じがよかったです。 ただ周りの役者さんはやや地味…。役者として好きだなぁって人があんまりいないんです、正直…。森谷ふみさんも今回メガネ姿でイマイチ良さが出てなかったような。男性陣はやや小林氏の言い回しにつられてる(随所に小林氏の言い方そっくりな)箇所が見受けられました。これは小林氏の影響力がすごいのか、自分の言うとおりにやらないと許してくれないのか(笑)。 あと、何故か小林賢太郎プロデュース公演は衣装が弱い気がします。セットはあんなに可愛いのに!! 舞台セットがものすごく可愛いんですよ、一幕ものだったのでずっと七日堂の厨房が舞台なんですけど。緑色のタイルに、ものすごく古いタイプのシンク。一日だけ、夜の設定の日があったんですが、そのときに灯ってるシンクのランプがものすごく雰囲気いいの。 に対して、衣装が。今回ほぼ全員ユニフォームだったのでそれほど変化をつけられなかったのかもしれませんが、片桐氏の衣装なんてもっと可愛くなったと思うんですけど…わざとなのかなぁ。鮫島さんの黒の厨房服も、ものすごく安っぽくてちょっと… しかし舞台も衣装もより良く!ってなかったら本多値段じゃなくてパルコ値段になっちゃうのか。 それは困る(笑)。
いつも公演時のときにフライヤーと一緒に挟み込まれてる、彼の言葉を書いたペーパー。 ケーキにまつわる素敵なお話が書いてありましたが、そこに書いてあることはあまりお芝居からは伝わってこなかったような気がします。 あとまともなケーキが全然出てこなかったのも雰囲気が出せなかった理由かも(笑)。
-----
てな感じでしょうか。
とはいえ、来年もやるよって言われたら行くと思います…。弱い。小林氏には弱いわ(涙)。 正直言うとまぁお芝居よりコントの単独やってくれた方が嬉しいんですけど、本当にプロデュース公演はたまにですから…。 あくまでも彼がホールケーキばっかり焼くパティシエにならないことを望みます。ならないよね?ならないでくれー。 |