3月に乙一を読破する!とか言ってましたが、やっと全部読み終えました… 以下は簡単に感想(下記以外の乙一氏の本は3/20の日記にあります)。
----- ●「さみしさの周波数」 短編集。4つのお話が入ってますが、好きな話とそうでもない話がすっぱり分かれてしまった…。「手を握る泥棒の話」「失われた物語」が好きでした。「手を握る…」はあの女優さんに誰を想像しましたか?私は普通に優香だなと思って読んでたんですが、乙葉ってのもあるか。梨華は…ないな(笑)。「失われた物語」は短いんですけど本当に怖い物語。というかある意味もっとも残酷な物語だと思う。
●「失踪HOLIDAY」 これはお話が二つ。どーも私は世間で言われてる乙一氏の切ない系の話がダメらしく、「失踪…」の方がダントツ面白かったです。ただ、あまりにも主人公が周りの人間に迷惑をかけまくるので途中で読むのが嫌になってしまった(笑)。頑張って最後まで読んだらちゃんとどんでん返しがありましたが、あの結末はいいのかどうか?
●「天帝妖孤」 こちらも二編収録。表題作ではない「A MASKED BALL」がとても面白かったです。本当の犯人よりも残りのトイレメンバーの方が気になりました。ひとりだけ一度読んでも分からない人がいて(←ニブい)読み返してニヤリ。解説にも書いてありますが、本当にネット上であっても不思議でない話をうまくトイレの落書きにスライドした見事な作品でした。もしかして乙一氏は学園モノがかちっとハマる人なのでは?「天帝妖孤」は前半のコックリさんが話しかけてくる様がものすごく怖いです。
●「きみにしか聞こえない CALLING YOU」 三篇収録。これは表題作がものすごく上手く出来てます。私の好きなタイムラグ系の話です(笑)。それだけで終わらず、最後にもう一つどんでん返しがあるのがすごい。「傷 -KIZ/KIDS-」も不思議で切ないお話。お姉さんのエピソードは切な過ぎます。主人公の誰かを守りたいという気持ちにホント泣きそうになりました。「華歌」は実はよく意味がわかんなくて…辻褄が合わないところがあると思うんですが。
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以上でございます。 全部読んでみた感想は…やっぱり一番好きなのは「GOTH」かなぁと。 でもどの話もスピード感があるし必ずどんでん返しがあるし、完成度が高いと思います。 唯一気になる点があるとすれば、乙一氏の小説は会話部分がちょっと不自然じゃないかなぁということぐらい。話し言葉にちょっと引っ掛かりがあることが多いんですけど、わざとなのかもしれません。
ちなみに、3/20の日記に乙一氏の日記のことを書きましたが、いろいろあって閉鎖・削除になったみたいです。面白かったのにもったいない…ジョジョのノベライズが進まなくってお悩みになってるようでした。
最近めっきり小説を読まなくなってたので、久しぶりにどっぷり読んで楽しめました。六月末にまた新刊が出るそうなのですが、一体いつ読めるのやら。 |