電車の窓から見える景色は、見なれた風景のはずなのに、とてもよそよそしく見えた。薄闇のなかに点々と、光りが濡れて滲んでいる。しばらくして、部屋からのぞいた、薄い黄色い空は、懐かしかった、想い出の景色のように。まだ、少しの間、静かに待っていよう。きっと、あなたを傍に感じていられる。