I氏(→大学教員&アーティスト?)が先日わざわざ送って下さったワーキング・ペーパー。丹念に、とは言えないまでも私なりに丁重に読ませて頂きました。分野は異なるとはいうものの、自分の研究に重大なヒントをいくつも発見し、久しぶりに身体が震えました。
そもそも私が取り組んでいる研究というのはベースは証券市場論ではあるけれど、用いている概念・方法は他の分野のモノが圧倒的に多いのです。なので、I氏のような社会学系の方が書いた文献というのは非常に有益なのでありまする。(→Iさん、近日中にお礼のお手紙しまする。)
I氏は社会の中における「個人」に眼を向ける。私は市場の中における「個人」に眼を向ける。そういった視点の持ち方自体に共通するものを発見すると、「あぁ、私は間違っていないかもしれんよ。」などと妙な安心感が自分の中に広がるのを感じる。何だか励まされた感じがするなぁ。
そしてまた広い意味で、自分の生き方みたいなモノに関してもエールをもらったような気がする。
「小さな野バラのトゲのように。」
先日、I氏から頂いた名刺にあった言葉。そう、トゲのように。
「理性・論理的記述スタイルではつかまえがたいもの」を、「私生活の繊細な水準」と「大きな物語」を切断せずに連続したものとして扱うために、私は今日も明日も明後日もマーケットに思いを馳せる。たとえ小さくても、野バラのようではないとしても、トゲがあるあいだはずっと、ずっと・・・。