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   Written by なお。
◆日記『心地よい孤独。』◆
孤独はいいものだということを我々は認めざるを得ない。
しかし、孤独はいいものだと話し合うことの出来る相手を持つことは一つの喜びである。
byバルザック
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2003年06月24日(火)
アメリカ的なラブ&ピース。

近所の喫茶店(←カフェ、ではないのよ。)で池澤夏樹氏(←大ファンなのだ。)の『ハワイイ紀行』を「精読」していた。

軽く10分読みできてしまう書籍が多い現在、「精読」しなくてはもったいない文章を書くひとりが池澤氏であると思う。


氏の文章は、その硬派な文体も然ることながら理系特有の単語が随所に散りばめられている。

文型人間の私には、氏のこの種の書籍は新鮮極まりなく、メモをとる右手の動きが加速度マックスとなるのであった・・・。(←右手が痛てーよ。)



で、疲労感に襲われ、コーヒーを飲もうとして顔を上げると・・・・。


斜め前方から温かい視線を感じた。
アメリカ人らしき白人のオスである。


ヤツは笑顔でこちらに近づいてきた。
内心「やべーよ、英語できねーよ!アメリカ人苦手なんだよ!」と焦っていた私。


で、結論からいうと、どうにか会話を成立させることができたよ。
TOEIC頑張った甲斐があったかもしれん。


予想通り彼はアメリカ人であった。名はケヴィン。(←ファミリーネームは失礼ながら忘れた。)

「何を読んでいるんだい?」と尋ねられたので、池澤氏の本について述べた。
あんたの国にある、ハワイイ諸島について日本の作家が調査したものなんだよ。とか、池澤氏はすごいんだよ。とか。


で、正直者の私。はっきり「アメリカ人は好かねー!」と中学生レベルの英語で言ってしまった。

驚いたことにケヴィンは笑顔のまま。
え?怒らないのかい?大丈夫あんた?もしかして精神異常者?


「実は君と同じような意見を最近よく言われるのだ。イラク問題が主要な理由だと思うのだが・・・。」と彼は私の目を見て言った。


そしてこちらが口を開く前に、続けてこうも言った。
「アメリカ的なラブ&ピースに最近疑問を感じているんだ。」と。


なるほど。アメリカという国が主張する愛と平和は、確かに傲慢だ。その傲慢さに慣れ親しんでいるアメリカ国民が、それに疑問を感じるほどまでに。


私は自分の意見をどういった言葉に秩序化したらいいのだろう、と少々困惑したが、池澤氏の本の中にあった言葉をアレンジして使わせて頂いた。


「そうわかっていながら間違える。
それが今のアメリカを動かしているエリート達の弱さなのではないかい。

でも、こうして世界の片隅で、例えばあなたと私が話すこと。
こういう過程そのものが新しい世界像を求める実験なのかもしれないよ。」



彼は私の言葉に満足したようだった。

コーヒーを一杯、奢ってくれた。


「すべてを企業に任せるアメリカ型資本主義の図式。」
と、ベットに寝転びながら呟いてみた。これもまた池澤氏の言葉。


アメリカ型ではない、新しい資本主義って、どうやったら創れるんだろう?
現代に突きつけられた大きな課題であるよ。。。。
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